シュガーシャックへ
メープルシロップ搾取は白銀の世界で行われる
メープルシロップの特産地であるケベック州とオンタリオ州では、現在、メープルシロップ搾取の時期に入った。一般的に、カナダのメープルシロップは、2月の末から4月の半ばの約2カ月間に搾取される。メープルシロップの原料となるカエデを栽培する農園などでは、メープルシロップを作る過程を一般に公開し、「シュガーシャック」として地元の住人を含め、観光客から人気を集めている。
カエデにはしっかりとバケツが設置
搾取時は、毎年、天候に左右されるのだが、気温が0度前後であるのが前提。雪も降れば、未だ白銀の世界だ。この時期の農園は、カエデに取り付けられたシルバーのバケツが冬の強い太陽の光に反射されキラキラと光り、非常に美しい光景である。近くで見ると、カエデには小さな穴が開いており、そこに搾取口が取り付けてある。そしてメープルシロップとなる樹液が搾取口を通って、バケツに流れる仕組みとなっている。「夜の気温がマイナス3度以上に上がれば、カエデから樹液が流れ出す」とオンタリオ州オタワ市近郊にあるStanley's Olde Maple Lane Farmの関係者は話す。そして集めた樹液は、次に、シュガーシャック(砂糖小屋)に運ばれ、そこで沸騰させ濃縮し、それがメープルシロップとして市場に出るという。
搾取口。これを木にはめ込み、樹液が通る
またシュガーシャックでの楽しみは食べ放題のブランチでもある。スーパーやお土産屋さんでは決して安くないメープルシロップも、前述のシュガーシャックでは、寛大にも巨大な瓶ごと各テーブルの上に置かれていたのが魅力的。ワッフルやホットケーキに、好きなだけかけて食べられる至福なひとときとなった。
シュガーシャックと呼ばれる砂糖小屋のなか。 ここでメープルシロップが作られる
メープルシロップの等級
お店で見かけるメープルシロップには、グレードが記載されている。色が濃いほうが、甘くて美味しいのではと思ってしまうが、実は、収穫時期が早いほうが、色が薄く、繊細な味で、品質が高いとみなされる。市場で一番品質が高いのが、シーズンの最初に搾取された『エキストラ・ライト』で、搾取順に『ライト』、『ミディアム』となる。以下、メープルシロップを購入する際の参考までに。
カナダNo.1 ―『エキストラ・ライト』『ライト』『ミディアム』
カナダNo.2 ―『アンバー』
カナダNo.3 ―『ダーク』
Stanley's Olde Maple Lane Farm
ウェブサイト www.stanleysfarm.com
(取材 笹川守)