新朝日軍 いよいよ日本遠征へ!

 

3月3日総領事公邸の広間で、緊張と気恥ずかしさを見せながら整列した赤いユニフォームの少年たち—。この日、在バンクーバー日本国総領事館主催による日系野球チーム「バンクーバー新朝日軍」の日本遠征に向けた壮行会が楽しく開催された。

 

 岡田総領事夫妻、世話役の人たちと新朝日軍のメンバー

 

盛りだくさんの日本遠征スケジュール

 第2次世界大戦前まで活躍し、日系人の誇りであった「バンクーバー朝日軍」。彼らは1921年に日本に遠征した。それから94年の月日が流れ、この度、日系の少年たちで結成された新朝日軍が日本へ遠征する。出発は3月5日、滞在期間は10日間である。その間に、栃木県足利市、神奈川県横浜市、愛知県大府市、滋賀県彦根市、奈良県天理市を訪問し、少年野球や高校野球部など日本の七つのチームと試合を行う予定だ。また、映画『バンクーバーの朝日』のロケ地訪問、地元のテレビ局の番組出演、横浜市や天理市の市役所主催の歓迎会出席、プロ野球観戦、さらに朝日軍メンバーの墓参りなど、盛りだくさんのスケジュールが組まれている。

 

日本へ遠征する新朝日軍のメンバーが写った記念品を岡田総領事へ贈呈するカーター・ウォン君

 

遠征前に成人チームとの試合も

 日本遠征を前に新朝日軍は強化トレーニングを実施。その一環として2月末に成人チームとの練習試合を行った。このチームは、朝日軍の歴史と誇りを継承しようとする日系人の集まりで、新朝日軍の発起人の一人でもある小川学さんを中心に、活動を開始していた。この試合の翌日、新朝日軍はブリティッシュ・コロンビア大学の野球部のコーチから指導も受け、スキルアップに努めた。

 

ジュースで乾杯

 

日本での活躍に期待を込めて

 壮行レセプションでは、冒頭、岡田誠司在バンクーバー日本国総領事が「新朝日軍の日本遠征は、すでに日本のメディアにも取り上げられています。対戦相手は君たちのことをアメリカのように強いチームと思って、しっかり準備していることでしょう。君たちには大きな期待がかかっています。がんばって、そして楽しんできてください」と少年たちを激励。続いて新朝日軍結成の発起人の一人ジョッシュ・カワードさんが挨拶した後、 ジョン・ウォンさんが音頭を取って乾杯。この日、振る舞われた料理は、コロッケやビーフストロガノフなど肉料理が中心。公邸料理人の岩坪貢範(いわつぼたかのり)さんの、スポーツ少年たちへの配慮がうかがわれた。

 

特別な料理でもてなしてくれた公邸料理人の岩坪さんへ、新朝日軍のメンバーがお礼の握手を

 

日本遠征を目前にして

 新朝日軍のメンバーに日本遠征への思いを尋ねた。「興奮しています」とショー・マツヤマ君とヒロ・ヤマモト君。「日本のチームはレベルが高いので緊張します」(コーディ・タカハシ君)。猪亦慶希(いのまたよしき)君は「チームメイトと一緒に行動できることが楽しみ」と語り、母の信子(あきこ)さんは「修学旅行のように団体生活を体験させてもらえる意味もありますし、いい経験をしてきてくれたらと思います」と語ってくれた。  世話役の福村十三郎さん、サミー・タカハシさんによれば、初めは照れていた日本流に帽子を取ってのお辞儀もしっかりとできるようになったり、声を掛け合うプレーの仕方にもだんだん馴染んできたようだという。

 「うちの子は日頃の通学に真っ赤な新朝日のフーディやジャケットをよく着ていくんです」とケンタ・サイモン君の母、真弓さん。朝日軍の歴史を継ぎ、日加の親善大使となる自覚も垣間見せている彼ら。そんな姿を大人たちが温かく見守っている様子が印象的だった。

 

この日の特製新朝日ロールは「勝つ」の縁起を担いで牛肉のカツ入り

 

(取材 平野香利)

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