朝日スシロールチャレンジ

 

1946年にバンクーバー市が横浜市と姉妹都市になってから今年で50年。2015年は姉妹都市50周年を記念して、たくさんのイベントが両都市で繰り広げられようとしている。

 

 日本行きを間近にひかえて、希望に胸を膨らますバンクーバー新朝日軍

 

 姉妹都市提携50周年記念行事の一つとして2月8日(日)、日系センターにて「朝日スシロールチャレンジ」と題したファンドレージング・イベントが行われた。ハイスクールの生徒達で結成されたバンクーバー新朝日軍(日系カナディアン・青少年野球部)が来月3月26日から2週間の予定で、横浜等の都市においてエキシビション・ゲームを行う事になっている。そのための資金を集めるのがこのイベントの主な目的だ。参加する選手たちの中には日本に一度も行った事がない者や日本語がほとんどわからない者もいるので、いろいろな面でチャレンジが待ち構えているようだが、みな初めての渡航先での試合に夢と期待で大きく胸を膨らませている。

 当日のイベントには葉っぱ居酒屋、ヒロ寿司、オクトパス・ガーデンと大漁市場の4軒の寿司レストランが参加した。会場では4カ所に寿司ステーションが設けられ、各々の寿司レストランはシェフと寿司職人等からなるチームを組み、技術と想像力の豊かさ、チームワークの素晴らしさを見事に披露。このイベントではあらかじめ、4人のシェフ達に「カナダと日本」と「新朝日軍」をテーマとし、そのイメージを寿司ロールとして表現するという課題が与えられ、屈指の技術と想像力を、巧みに寿司ロールの中に盛り込んで、腕を競い合った。  バンクーバーと横浜の交友を記念するという意味から、カナダ産のサーモン、ヤム芋、アボカド、クリームチーズ、そして日本を代表とするイクラ、マグロ、わかめ、レンコンのキンピラ等をふんだんに使って、参加者達の味覚と視覚を十二分に楽しませてくれた。特に4チーム全てが「朝日」のイメージとしてサーモン、イクラ、ヤム芋などのオレンジ色の食材を意識して取り入れていたのが特徴。中には半分に割った煮卵を添えて、朝日のイメージとして新鮮なアクセントを加えたものも。

 このイベントでは寿司ロール・チャレンジの他にサイレント・オークション、ドアプライズ、そしてさらに中島有二郎さんのギター伴奏による在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏のサキソフォン演奏というサプライズ・パフォーマンスがあった。オープニングに演奏された「Take Me Out to the Ball Game(野球に連れてって)」はその場にぴったりとくる、なじみの深い曲だったので、歌い始めたり手拍子を取ったりしている人達が次々と現れ、会場は熱いクレッシェンドで華やかに盛り上がっていった。

 バンクーバー・横浜姉妹都市50周年記念行事は「朝日スシロールチャレンジ」を始めとして、2月にはバンクーバーのハイスクールが2校、交換学生として横浜に行く事になっている。3月にはこの新朝日軍が横浜に行き、さらに東京と京都も訪問する予定である。桜が満開になる4月にはチェリー・ブロッサム・フェスティバルを中心とした様々なイベントが予定されている。また、夏のパウエル祭や秋の映画祭等のイベントとコラボした50周年記念行事が数多くの会場で年間を通して計画されている。今年はバンクーバーにとって、バンクーバーと横浜、さらにカナダと日本の友好関係を深めるとてもエキサイティングな年になりそうだ。

(取材・写真撮影 王由利)

 

 

バンクーバー新朝日軍の登場

 

葉っぱ居酒屋のノブさんがチャレンジするツナとわかめとレンコンのキンピラをあしらったアサヒロール

 

ヒロ寿司の小野さんによるサーモン、アボカド、クリームチーズの味噌マヨ炙り寿司

 

部員がVIPルームで岡田総領事にインタビュー(隣は寧子夫人)

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。