天皇誕生日祝賀レセプション
天皇誕生日である12月23日に先立ち、恒例の在バンクーバー日本国総領事主催による天皇誕生日祝賀レセプションが12月８日、バンクーバーのコースト・コール・ハーバー・ホテルで行われた。天皇陛下はことし、81歳の誕生日を迎えられる。
天皇陛下の誕生日を祝って乾杯するテレサ・ワットBC州国際貿易大臣（前列左から４番め）をはじめとする来賓と在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏（前列右から４番め）
総領事館開館１２５周年の２０１４年、２０１５年は姉妹都市の節目の年
BC州大臣ほか政府関係者を来賓に迎え、日加のビジネス、教育、文化、芸術、日系団体関係者の約５００人が出席。会の冒頭、紅白の衣装をまとったNAVコーラスのリードでカナダと日本の国歌を斉唱した。その後、在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏が挨拶に立ち、２０１４年は在バンクーバー日本国総領事館開館１２５周年を記念し、一年を通じて『二つの歩み』と題したワークショップを展開してきたことを紹介。日加の経済関係の面では、日本はBC州からの輸出額第３位の国であり、BC州とユーコン準州の鉱物資源への需要が２００９年のリセッション前の水準まで回復したことや、BC州のデジタルメディアの産業に対して、日本からの投資が集まっていることなどに言及。日本からBC州への観光業も前年度よりも７％伸びを見せており、２０１４年のANAのバンクーバー—羽田線の新規就航、JALのボーイング787型機の運行開始、２０１５年に予定のバンクーバー—大阪の直行便の就航が人的交流をより発展させてくれるだろうと語った。また２０１５年はバンクーバー市と横浜市、バーナビー市と釧路市の姉妹都市提携50周年、ビクトリア市と盛岡市の30周年に当たり、こうした草の根の交流の着実な発展を心から祝うものであると述べた。
続いて挨拶に立ったのは主賓のテレサ・ワットBC州国際貿易省大臣兼アジア太平洋戦略及び多文化主義担当大臣。２０１４年11月にアジア各国を回り、日本にも外交に訪れたワット氏は、自身の日本体験の話を含めながら言葉を述べた。BC州から日本への昨年の輸出額は41億ドルに達しており、BC州にとって日本は重要な存在。特に近年、液化天然ガスやゲーム産業の分野において日本とBC州が関係を深めている。今後さらに日本企業がBC州に進出することを期待しており、これからも総領事館と連携を図り、日加双方の関係を強めていきたいと語った。
次に司会者よりクリスティ・クラークBC州首相からの「BC州の各国領事館との文化的、経済的絆がより深まり、友好関係がますます発展していくことを祈念しています」とのメッセージが代読された。その後、日系団体を代表してゴードン門田氏が乾杯の音頭を取り、宴のひとときとなった。
２０１４年と総領事館の歴史を振り返る挨拶を行った岡田誠司総領事
日本を訪問した際の驚きの体験を含め挨拶したテレサ・ワット大臣
国歌斉唱をリードしたNAVコーラス
約５００人が集まり親睦を深めた
BC州日本酒協会のメンバーたちが 日本酒を紹介
日本文化を五感で楽しんで
会場には、昨年９社で発足したBC州日本酒協会から自慢の日本酒が数々用意され、参加者は試飲を堪能。食事には、洋食のオードブルのほかに、茨城産の上質な米を使った握り寿司に巻き寿司、また公邸料理人による和牛のすき焼きがその場で調理して振る舞われ、参加者は舌鼓を打った。飲み物には味わいと風味のある煎茶も提供された。また、場外での裏千家バンクーバー淡交会の茶道のデモンストレーションと呈茶（ていちゃ）により、抹茶を味わう機会も。和の空間作りには、オープニングで演奏された琴と尺八の演奏のほかに、地元で活動する各流派の生け花も一役買っていた。
飲食に音楽、知識や情報と、五感から日本文化を味わう機会となったレセプション。ローカルの人々からも「酒も料理もおいしい」「日本の情報をアップデートできた」と大きな満足の言葉が聞かれた会となった。
茨城の米を使って寿司を提供することも東日本大震災被災地復興支援の一つ
宇治茶・通圓からは煎茶を提供
通路にはバンクーバー生け花協会会員の作品が展示され、和の雰囲 気を盛り上げた
総領事館の歴史を物語る展示物の中には１９５３年にバンクーバーを訪問された皇太子時代の第１２５代天皇陛下の御真影も
日本紹介に加えて
会場の入り口前には日系旅行会社や航空会社のパンフレットが展示され、また、日本米の提供のあった茨城県の紹介や茨城産の米のパンフレットや幟（のぼり）の展示により企業や米の紹介が行われた。その他、２０１４年のバンクーバー日本国総領事館開館１２５周年を祝い、総領事館ゆかりの写真の展示も。その中には岡田総領事が挨拶の中で触れた、１９５３年当時皇太子殿下、現在の天皇陛下のバンクーバーご訪問の際の貴重な写真も展示された。
（取材 平野香利／写真提供 斉藤光一）
