日系ビジネスアワード & クリスマスパーティ
12月7日、恒例の企友会ビジネスアワード&クリスマスパーティが、バンクーバーのコースト・コールハーバー・ホテルで開催された。在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏ご夫妻をはじめ、数々の日系団体代表の来賓を迎え、総勢122名が参加。華やかに、和やかに開催された。今年は、4部門で、6名が受賞した。
■ 日系アワード大賞 ■
ウェイン・リトンさん かおり・リトンさん 「チーナ」共同経営者
ご主人のウェインさんは、バンクーバー島ナナイモ出身。UBC大学在学中に慶応大学、京都大学に留学。卒業後、王子製紙を経てイギリスの製鉄会社勤務。しかし、「日本とカナダに関わる仕事がしたい」という思いで1978年「チーナ」を創立。
奥様のかおりさんは、京都伏見出身。リトンさんと京都で結婚後、3人の子育てをしながらバンクーバーで「チーナ」創業の共同経営者としてスタート。企友会、日加商工会議所に役員として在籍。現在は、日系女性起業家協会とコスモス・セミナーで、発足時からのメンバーとして活躍中。今回の「企友会日系アワード大賞」の受賞に、かおりさんは、「今日までの間、子どもたちに不憫な思いをさせてきましたので、この喜びを子どもたちへ・・・」と感動のスピーチをし、会場の多くの人がまぶたを熱くした。
かおり・リトンさん(中央)ウェイン・リトンさん(右)プレゼンターの中谷太三さん(左)
■ 功労賞 ■
長井明さん カナダ・バンクーバー交響楽団 終身名誉コンサートマスター
旭川出身。東京藝術大学卒業後、インディアナ大学大学院修了。J・ギンゴールド、江藤俊哉、鷲見三郎氏等に師事。毎日新聞社主催学生音楽コンクール全国一位及び音楽コンクール入賞。1971年モントリオール交響楽団入団、1976年バンクーバー交響楽団アシスタントコンサートマスターに就任。以後まもなくコンサートマスターに起用される。同時に東京交響楽団、読売日本交響楽団、札幌交響楽団、仙台フィルハーモニー等のゲストコンサートマスターとして日本でも活躍。日本のコンサートマスターと主席奏者を集めた日本ヴィルティオーゾ饗とは18年間主席をつとめ、今日に至る。ソロ活動、後進の指導、パシフィック・ノース・トリオもバンクーバーと日本各地で演奏中。こうした多大な功績に対し、功労賞が贈られた。
長井明さん(右)プレゼンターのゲーリー・マトソンサン(左)
■ 企友会新人賞 ■
長(ちょう)勝博さん CK Marketing Solution Inc.代表
2006年に来加。バンクーバーでは、コーヒーショップで働くかたわら、企友会のボランティアとして活動。さまざまな出会いがあり、2006年に「人材カナダ」、2008年に「バンクーバー広告社」を立ち上げた。2012年には、独立ベンチャー3名が集まり、共同シェアオフィスを設立。メディアの世界では「ライフ・バンクーバー」を展開し、月間5万人を超える利用者がある。他にも、印刷、デザイン、WEBサイト制作など、北米全土や日本へ向け『人の成功をサポートする』をコンセプトに多面的に活躍中。「私のようなものでも、海外でビジネスをやれるのだから、誰だって・・・」と、日本の若者に発奮をうながし続けている。
長勝博さん(右)プレゼンターのアンジェラ・ホリンジャーさん(左)
■ 特別アチーブメント・アワード ■
山本美穂さん 映画プロデュサー
ドキュメンタリー映画「ザ・エキビジション」のプロデュサー。2014年のインターナショナル・エミー賞を受賞。この映画は、1980年ごろから約20年間にわたりバンクーバーで起きたカナダ犯罪史上最悪の連続殺人事件の被害者家族や友人などにインタビューをし、事件の深層を追求した作品。6年をかけたその制作過程は、「何度もやめようと思うほど、ヘビーなものだったが、支援者の支えで完成させることができた」という。ちなみに、山本さんは元企友会理事。ビッグな賞を獲得され、企友会の誇り、と祝福された。
山本美穂さん(右)プレゼンターの松原雅輝さん(左)
津田佐江子 バンクーバー新報社主
日系人コミュニティ及び日系企業の連携・連帯に貢献した功績により平成26年度(2014年)の外務大臣表彰を受賞した。本年度の外務大臣賞は、世界各地で活躍する108個人と30団体が受賞した世界的権威のある賞。津田は、1978年に邦字新聞バンクーバー新報を創刊し、36年間の永きにわたり一度も休刊することなく発行し続けた。その功績に対し、企友会からも祝福された。
津田佐江子(右)プレゼンターの松原雅輝さん(左)
(取材 笹川守)