JTB地球いきいきプロジェクト

スタンレー公園野外環境プログラム開催

 

バンクーバーに初雪が降った11月29日、『JTB地球いきいきプロジェクト』主催によるスタンレー公園内の外来植物駆除作業が行われた。これは、『スタンレーパーク・エコロジーソサエティ(SPES)』が取り組んでいるプログラムに、『JTB地球いきいきプロジェクト』が、ジョイントしたボランティア活動。33名の参加があり、快晴とはいえ、凍てつく中での外来植物の駆除作業だった。

 

当日の成果を囲んで、全員で記念撮影

作業前、SPESコーディネーターのエリカさんによるオリエンテーション

 

脅威を増している外来植物

 スタンレー公園には、いま72種類もの外来植物が生息しているという。外来植物は、繁殖力が強く、在来種の生存を脅かすまでになっている。スタンレーパーク・エコロジーソサエティSPESは、外来種の数を減らし、在来種の数の回復を図ることで公園内の自然環境や生態系を健全な形に近づけ、維持しようという活動を行なっている。

 今回のJTB地球いきいきプロジェクトに参加した33名は、SPESコーディネーターのエリカ・フォースマンさんの先導のもと、一行は公園内の細い道を分け入り、外来植物の一種、『イングリッシュ・アイビー』が密集する場所へ。高さ約2・5メートル、幅約4メートル、奥行き約1メートルの切り株にイングリッシュ・アイビーがびっしり。しかも、その周辺へどんどん広がっている様子。この植物は、いろいろな公園でも見かけ、庭やインテリアにも愛好されているものだが、外来種であり、在来種の生育をも脅かしているとは驚きの事実であった。参加者33名は、生息している一帯に約1時間半はり付き、ひと蔓(つる)、ひと蔓を剥ぎ取り、根を抜き始末。その量は約20立方メートルにも及んだ。その成果に全員、何か、達成感にも似た喜びに満ちていた。そして、老木の樹々の間から射し込む太陽光線に雪が煌く、ダイヤモンド・ダストの舞を見た。

 

 

巨大な切り株にはり付いたアイビーを剥ぎ取る作業に汗だく

ひと蔓、ひと蔓抜き取る作業は重労働でもあり、楽しくもあり

 

JTB地球いきいきプロジェクトとは…

 JTBの顧客や地域の人、JTBグループの社員がいっしょになって、観光地の清掃、植樹、環境美化などに積極的に参加し、「地域を元気に、人を笑顔に」したいというJTBグループの社会環境活動(CRS)。1985年にスタートしたこの活動は、フランス、オランダ、ベトナム、インドネシア、アメリカ、そして、カナダと、世界各地に広がり始めた。今回、カナダ初の試みがバンクーバー市民の憩いの場スタンレー公園での外来植物駆除作業であった。この駆除作業は、とにかく根気のいる作業で、一朝一夕には終わらない。今後も多くの機会を設けていただき、継続して行きたいものだ。

 

 

(取材 笹川守)

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。