隣組クリスマスコンサート

 

会場に響いた クリスマスメドレー

11月30日、バンクーバー市内のセント・マティウス&セント・ルーク聖公会で第9回隣組クリスマスコンサートが開かれた。第1部に前田ファミリー&フレンドを迎え、第2部ではピアノ、歌、日系合唱団と有志による合唱で、約250人がひと足早いクリスマスムードを楽しんだ。

 

日系合唱団と有志がクリスマスメドレーを大合唱(指揮:ルース鈴木さん、伴奏:アレクサンダー恵子さん)

前田ファミリーとクラリネットでジョイントした作曲家のロバート・バックリーさん(左)

 

シニアのために新しいバンを

 今年の隣組クリスマスコンサートは昨年に引き続き、新しいバン購入のためのファンドレージングを兼ねていた。デビッド岩浅事務局長は「今年も多くの人がラッフル商品の寄付、ボランティア、合唱に参加してくださいました。みなさんが隣組をサポートしてくださることはコミュニティ結束の表れで、感謝の気持ちでいっぱいです」と述べた。

 続いて在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏が「今年もこのコンサートを楽しみにしていました。1975年からボランティア団体として活動している隣組がシニアのみなさんのために新しいバンを購入できるよう、今日は楽しい時間を共有しながらコンサートのご成功をお祈りします」と挨拶した。なお今年は、岡田寧子夫人がNAVコーラスの一員として合唱に参加した。

 

前田ファミリーのアンサンブル

 吹奏楽団の指揮者(Sea to Sky Wind Ensembleほか)、トランペット奏者としてノースショアをベースに音楽活動を続ける前田卓哉さんと、マウント・オリヴェット・ルーテル教会オルガニストで子ども合唱ディレクターほか、歌声喫茶のピアノ伴奏でお馴染みの前田多枝さん。ご夫婦に長男の門太さん(ユーフォニウム)、次男の金太さん(トロンボーン・ドラム)が加わった前田ファミリー。この日は家族総出演のアンサンブルに特別ゲストとして、バンクーバー五輪開催式の音楽を担当した作曲家のロバート・バックリーさんがクラリネットで加わった。

 前田卓哉さんによる英語と日本語の曲紹介は、いつしか日本語のみに。それでもユーモアにあふれた前田さんの話しぶりには、ノースバンクーバーから応援に来たというカナダ人音楽愛好家をも微笑ませる親しさがあった。

 軽やかなリズムの『Rockin' Around the Christmas Tree』や『サンタ・ベイビー』などジャズの雰囲気たっぷりの選曲で、各楽器のソロを取り入れたアンサンブル。この演奏を機会に吹奏楽器に興味を持った人も多いのではないだろうか。

 

クリスマスメドレーを大合唱

 『キラキラ星変奏曲』で、さまざまなバリエーションを聴かせてくれたアレクサンダー恵子さんのピアノ独奏に続き、ソプラノのステファニー・ナカガワさんがプッチーニ作曲のアリア『O mio babbino caro』(私のお父さん)をアレクサンダーさんの伴奏で歌うと、しっとりとしたムードが会場に広がった。

 続いてルース鈴木さんの指揮とアレクサンダーさんのピアノ伴奏で、さくらシンガーズ、カトレア・コーラス、ウィンズ・コーラス、NAVコーラスほか有志がクリスマスソングや『ハレルヤ・コーラス』を大合唱した。

 最後に、渡米予定のアレクサンダーさんに岩浅事務局長から花束が贈呈され、隣組理事長のジョージ熊谷さんが、コンサート実行委員で隣組理事の中堀忠一さんと、初回からコンサート開催に貢献している妹尾翠さんに感謝の言葉を述べた。

 隣組によると、この日の募金額は昨年の5000ドルを上回り、約6000ドルとのこと。

 

プッチーニ作曲のアリア『O mio babbino caro』を歌ったソプラノのステファニー・ナカガワさん(伴奏:アレクサンダー恵子さん)

感謝の言葉を述べるデビッド岩浅隣組事務局長

「昨年に続き、このコンサートを楽しみにしていました」と挨拶した岡田誠司総領事

 

 

(取材 ルイーズ阿久沢)

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