リメンバランス・デー

日系カナダ人戦没者追悼式典

 

11月11日、スタンレーパーク内の日系カナダ人戦没者記念碑において、 日系人戦没者追悼式典がとりおこなわれた。風は冷たいものの抜けるような晴天の下、今年もたくさんの人が参列した。式典後はパーク内パビリオンにてレセプションが開かれた。

 

花輪で飾られた日系カナダ人戦没者記念碑

式典及びレセプションに参列した日系カナダ人退役軍人の方々

 

厳かに執り行われた式典

 バグパイプの音が鳴り響く中、日系カナダ人戦没者記念碑に参列者が続々と集まった。式はゴードン門田さんによる司会進行で、則末恵子さんの「O Canada」斉唱で始まった。在バンクーバー日本国総領事、岡田誠司氏をはじめとする来賓の紹介のあと、バンクーバー日系人合同教会の坐間豊牧師がスピーチし、世界の平和を祈願する祈りを捧げた。葬送(消灯)ラッパ(last post)に続いて、2分間の黙とう、そしてバグパイプによる哀歌(lament)、起床ラッパ(reveille)が演奏された。そして、アイリーン・キタムラさんによる「In Flanders Fields」、ディック・ナカムラさんによる「Act of Remembrance」の朗読に続き、各団体による献花がおこなわれた。式終了後は、参列者が胸につけたポピーのバッジを、記念碑におかれたリースにつけていった。

 

レセプションでの和やかな時間

 スタンレーパーク内のパビリオンで行われたレセプションでは食事と飲み物が提供され、たくさんの人が集い歓談を楽しんだ。今年はCBCラジオで音楽番組を担当している、日系カナダ人のティム・タマシロさんを司会に迎えた。「ちび太鼓」代表の本間しのぶさんによる太鼓の演奏で幕を開け、リンダ・カワモト・リードさんが来賓を紹介した後、6名の退役軍人の方々がそれぞれ挨拶をした。

 続いて、トロントからこの日のために訪れたフランク・モリツグさんが、第2次世界大戦時にカナダ軍の1人として従軍した時の思い出を話した。当時日系カナダ人は投票権を持たなかったが、軍にいる間は投票が認められたことなど、軽妙な話しぶりでみなを引き込んだ。また、得意のハーモニカを演奏会で披露したことについて、ハーモニカを実際に演奏しながら話し、会場には大きな拍手が沸き起こった。その後、アイリーン・キタムラさんを始めとする女性たち約10名が編んだというマフラーが、列席した退役軍人の方々およびRCMPとバンクーバー警察署の方たちに送られた。カナダの平和を守るために戦ってきた軍人、そして現在、安全と秩序を守るために従事している人たちへの感謝の気持ちを表したものだという。和やかな雰囲気の中でレセプションは終了した。

 

記念碑の改装工事

 日系カナダ人戦没者記念碑の改装費用への寄付を、ジャパニーズ・カナディアン・ウォー・メモリアル・コミッティーが、日系プレース基金と協力して呼びかけている。12月31日まで受け付ける。詳しくは、代表のリンダ・カワモト・リードさん(604-737-2112英語)または日系プレース基金(604-777-7000)まで。

 

バンクーバー日系人合同教会の坐間豊牧師

トロントから訪れたフランク・モリツグさん

祖父が退役軍人だったというティム・タマシロさん。レセプションでの軽妙な司会が好評だった

 

<献花団体>

退役軍人 第9部隊

パトリシア王女軽歩兵連隊

S-20および二世在郷軍人会

退役軍人省BC州およびユーコン準州支部

全カナダ日系人協会(NAJC)

在バンクーバー日本国総領事館

ナショナル日系博物館・ヘリテージセンター

グレーターバンクーバー日系カナダ市民協会

RCMP王立カナダ騎馬警察

バンクーバー市

バンクーバー市警察

バンクーバー公園管理局

ブリティッシュ・コロンビア大学

宗教諸団体

(敬称略・順不同)

 

(取材 大島多紀子)

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。