日本とカナダのスカウト団が交流

 

8月10日から17日まで、日本のガールスカウト愛知県第19団から4人のスカウトと2人のリーダー(うち1人はボーイスカウト隊長)が、バンクーバーに滞在した。バンクーバーのセント・ジョージ・スカウト第34団が受け入れホームステイ先を提供するとともに、キャンプや観光、自然体験などの活動を共にし、交流を深めた。

 

スタンレーパークのトーテムポールの前にて。赤いスカーフをつけているのが日本のスカウトで、カナダのスカウトは紺色をつけている

UBC付属植物園内にて

 

 カナダ国際交流プロジェクトは、ボーイスカウト名古屋第88団が30年前にスタートさせたもので、ボーイスカウト第75団・ガールスカウト愛知県第19団とともに、カルガリーのスカウトグループと1年交代でスカウト団を派遣する交流を続けてきた。いろいろな悪条件が重なりこの交流が中止となってしまったが、その後バンクーバーの第34団が引き継ぐ形となり、2013年からカナダ・インターナショナル・スカウティングというプログラム名となって改めてスタートした。

 今年が2回目となるバンクーバーでのプログラムには、日本からレンジャー・スカウトである、竹内裕香さん、水野ミッシェルさん、井上春乃さん、瀬尾朱理さん、ガールスカウト第19団団委員長である野呂典子さん、そして、ボーイスカウト名古屋88団ベンチャー隊長の三浦聡さん、合計6人が参加した。15〜16歳の日本からの参加者は、カナダの同世代のベンチャー・スカウトたちと共に、バンクーバー水族館、UBC人類学博物館を訪れたり、キャンプをして共同炊飯やアスレチックなどを体験。約1週間の滞在は盛りだくさんの内容だった。また、リッチモンドのシースカウトグループとも交流し、ヨットでのクルージングをしたりBBQを楽しんだ。

 バンクーバーのベンチャーであるエスター・ゴーさんは、昨年、今年と受け入れ側の代表として、ホームステイ先を探したり、バンクーバーで訪れる場所を決めるなど企画運営を行った。昨年初めてこの役を引き受けた時には、「すごい経験になると思った。実はこんなに大変とは思わなかったのですが…」という。一番苦労したのは、企画運営する仲間を探すことや、ホストファミリーを探すことだったそうだ。一方、日本の同世代の人たちとの交流はとても楽しかったとのこと。「大変な仕事だったけれど、やりがいもありました」と話す。エスターさんは来年、名古屋のグループが招待する側となる同プログラムに参加する予定だ。日本に行くのは初めてで楽しみにしているとのことだ。

 最終日夜のパーティーでは、日本の4人が歌と踊りを披露したり、カナダのスカウトグループとトランプで盛り上がっていた。エスターさんが「最初のうちはぎこちなかったのが、だんだんと打ち解けてきた」という通り、カナダと日本のティーンエージャーが前からの友達であるかのように一緒にゲームに興じている姿が印象的だった。最後にお礼とお別れの言葉を伝えるときに泣き出してしまった子もいたほど。どちらの側にとっても、忘れがたい良い思い出になったことだろう。

 

キャンプ場にて。一番左端がエスター・ゴーさん、野呂典子さん(左から2番目)、三浦聡さん(左から6番目)、一番右端がウィリアム・チャンさん

シースカウトとのクルージング体験。瀬尾朱理さん(前方左)、竹内裕香さん(前方右)、井上春乃さん(後方左)、水野ミッシェルさん(後方右)

 

 来年の夏に世界各国のスカウトが集うジャンボリーが日本の山口県で開催される。セント・ジョージ・スカウト34団のアドバイザーであり、パシフィック・スピリット・エリアのコミッショナーでもあるウィリアム・チャンさんによると、「ジャンボリーは4年に1回開催され、14〜17歳のスカウトが参加できます。広島と長崎に原爆が落とされてから来年で70年ということから、広島平和記念公園と博物館を訪れる予定です。平和、環境問題、人権問題などを話し合ったり勉強する機会もあります。日本の文化を学ぶだけでなく、さまざまな国からの参加者同士の交流を通して、互いを尊重することを学ぶなど、たくさんの活動が予定されています」という。

 

(取材 大島多紀子)

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