なでしこジャパン

 

女子サッカー日本対カナダ親善試合inバンクーバー

 

女子サッカー日本対カナダの親善試合が10月28日、バンクーバーのBCプレースで行われた。両国代表の試合が見られるとあり、平日にもかかわらず会場には14328人のサッカーファンが詰めかけ、両チームに大きな声援を送った。

 

この日の日本代表先発メンバー。主将腕章はGK福元選手

カナダ代表先発メンバー

 

エドモントンに続き、なでしこ2連勝

 この日の試合は日本の劇的勝利に終わった。日本は33分、永里の代表初ゴールで1点を先取。しかし、57分にカナダのシュートを止めようとした阪口のオウンゴールで同点となり、前半は1-1で終了した。

 後半は劇的な展開となった。日本は後半から出場した大儀見が77分に体勢を崩しながらでも相手のディフェンスをかわしてゴールを決め2点目。試合はそのまま終盤まで進んだ。このまま2-1で日本の勝利かと誰もが思ったが、勝負はロスタイムに待っていた。

 まず、カナダがシュミッドのゴールで同点に追いつく。しかし日本はその約1分後、カナダの守りの隙を突きGKと1対1になった鮫島が冷静に決めて3-2。ここで試合終了。日本は、25日のエドモントンでの第1戦に続き、2連勝でカナダ遠征を終えた。

 

後半から出場し2点目を入れた大儀見選手。前日の「結果にこだわる」とのコメント通りゴールを決めた

 

女王なでしこにカナダ善戦

 試合終了後の記者会見で、2点目を決めたシュミッド選手は、「カナダのファンの前で勝ちたかったので、負けたのは残念だったが、日本の動きを封じられたし、いい試合をしたと思う」と力強く語った。チームもいい感じにまとまっていると本番に向け、前回W杯覇者に善戦できたことに胸を張った。

 ハードマン監督は、「イギリス五輪では日本相手にわずかシュート3本に終わったが、今日は互角に戦えた。勝てるチャンスすらあった」と惜敗に悔しさをにじませた。「決められたゴールはどれも世界トップクラスのゴール」と監督。それ以外は、互角だったと選手たちの善戦を称えた。

 カナダは今回若い選手を起用している。フレミング選手はわずか16歳。「シンクレア、シュミッド、フレミングと、来年に向けバランスのいいチームにまとまってきている」と監督。技術力、組織力を高め、日本を含めた世界トップ3のチームに負けないチームを作っていくと、来年に向け決意を新たにしていた。

 日本チームの印象についてハードマン監督は、「非常に良くまとまったチーム。動きも早く、パスも正確で、アメリカやドイツとは違うタイプのチーム」と分析した。「日本チームを尊敬している。日本が女子サッカーにもたらした貢献は非常に大きい。間違いなく来年の決勝戦に残っているだろう」と語った。特に宮間選手を絶賛した。

 

カナダの主将であり、エースのシンクレア選手(#12)。常に日本の3選手がマークしている

16歳で代表入りのフレミング選手。「5年後、10年後が楽しみ」とハードマン監督は評価している

カナダの2点目を決めたシュミッド選手(#13)

 

なでしこジャパン、王者の風格

 エドモントンでの試合とは選手を大きく入れ替えて戦った。それでも最後はきっちりと決めて2連勝。前回W杯覇者なでしこは、大きなカナダ選手を相手にしながら、それ以上に大きく見えるほど、プレーにも、チームの雰囲気にも、王者の風格が漂っていた。

 前日の練習後、カナダのタンクレディ選手はエドモントンでの日本チームの印象を、「以前の印象よりも当たりが強くなっている、その辺も要注意だ」と語っていた。フィジカルではアメリカに負けないカナダの選手にそこまで警戒させるほど、組織力と技術力だけではないチームへと日本が変わっているという印象なのだろう。

 試合後の記者会見で監督は、「我々もカナダとやっていろいろな意味で勉強になった」と総括した。「カナダという守備も攻撃もパワーのある相手と戦って、チームとしても、個々としても、非常に勉強になったと思います」とカナダ戦を振り返った。

 「カナダのような成長しているチームに対して2戦とも負けなかったということは我々にも勇気を与えてくれた」と語り、「カナダは第1戦以上に今日は勝とうという意識が強く、内容的に非常に良かったと思う」と、反省点は多々あるとしながらもどこか余裕のあるコメントだった。

 

鮫島選手(後ろ姿)の決勝ゴールを喜ぶ宮間選手と大儀見選手(左)。69分から入った宮間選手「なでしこらしくない入りだったので、チームをピリッとさせるように心がけた」

試合後、会場の一点を指して何かを見ている大儀見選手(左)と永沢選手(右)

 

来年のW杯に向けて

 「バンクーバー、いいところですね」と佐々木監督はバンクーバーの印象を語った。「多くの日の丸が掲げられて、応援がたくさんあって、そういう意味では来年またバンクーバーに、このピッチに戻ってきたいと思います」と決勝戦の舞台で来年への思いを語った。

 その思いは選手たちも同じようだ。 永沢選手「意外と日本人の人がいっぱい住んでいるんだなって思ってびっくりしました。(今日も)ホームのような感じがしたので、本番も応援に来てください」。

 鮫島選手「スタジアム自体がすごい一体感が出る作りだって感じたので、その中で赤いユニフォームが結構多かったんですけど、ただ、アウエーかなって思ったんですけど、日本人の方もかなりいるのが分かるくらいすごい声援があったので、そんなにアウエー感を感じずにサポートがあったのでみんな戦いやすかったと思います。またチームでここを目指してきたいと思います」。

 宮間選手(主将)「たくさんの方が来てくれていて、カナダで女子サッカーがたくさん見てもらえるんだなっていうのが分かりました。来年(W杯)大会があるので、それまでもっと自分たちもいい準備をしてもっともっと強くなってカナダに来たいと思うので、是非応援してもらいたいと思います」。

 大儀見選手(前日の練習後に)「自分たちらしいサッカーをこの(28日の)試合で見せられればいいと思っていますし、たくさんの方が応援に来てくれるということで、結果にもこだわらなくてはいけないと思いますし、勝つことを大前提にして内容をみせるサッカーにしなくてはいけないかなって感じています。(来年の大会でも)自分たちにとっても力強い応援になるので楽しみにしています」。

 

試合後も、練習後も、常に笑顔の佐々木監督。カナダチームの印象は「シンクレア選手を中心に、迫力があるチーム。なかなかアジアで感じることができない相手」と語った

 

問題になっている人工芝について

 来年のW杯は人工芝での開催が決定している。佐々木監督は「人工芝で試合を行うこと自体にはそれほどナーバスになっていない」と語った。人工芝で練習することもあるというのが理由だ。

 今回は「エドモントンとバンクーバーでは芝が少し違う」と前日の練習の時に印象を語った。会場によって芝の癖があるのは、天然も人工も同じと佐々木監督。それぞれに特徴があり、どの会場になるかによって、適応しなくてはいけないと語った。

 

応援に来たファンに向け手を振る日本代表。中央は宮間選手

会場のファンに手を振る日本代表

 

W杯開催は2015年6月

 FIFA女子W杯カナダ大会は、来年6月6日に開幕する。決勝戦の7月5日まで、女子W杯史上最多の24チームが熱戦を繰り広げる。会場は東海岸から西海岸まで6都市。モンクトン、モントリオール、オタワ、ウィニペグ、エドモントン、そしてバンクーバー。チケットはすでに販売が開始されている。

  

(取材 三島直美 / 写真 Sam Maruyama)

 

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