JETAABC恒例、カナディアンズでのBBQイベント
今年はバンクーバー総領事館125周年記念イベントとタイアップ
JETプログラム同窓会BC&ユーコン支部(JETAABC)の夏の毎年恒例イベント、バンクーバー・カナディアンズ観戦BBQがナットベイリースタジアムで8月30日開催された。今年は在バンクーバー日本国総領事館開館125周年の記念イベントとしてもタイアップ。在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏も参加し、イベントは盛り上がった。
岡田総領事の始球式
岡田総領事、始球式に参加
今年で4回目の開催となったJETAABCの、バンクーバー・カナディアンズの試合を観戦しながらのBBQイベントには、約50人が参加。今年は在バンクーバー日本国総領事館開館125周年とタイアップした記念行事として、岡田誠司総領事が始球式に参加した。 バンクーバー・カナディアンズは、本拠地をナットベイリースタジアムに置く、マイナーリーグのプロ野球チーム。トロントを本拠地とする大リーグのトロント・ブルージェイズ傘下で、シングルAショートシーズンのノースウエストリーグ・ノースディビジョンに属している。 地元との密着型チームとしてバンクーバーで人気の高いカナディアンズ。シーズンも押し迫ったこの日は、8人が始球式に参加した。岡田総領事は6番目。少年少女たちと共に、マウンドに立ち、サウスポーからゆっくりとした投球フォームでキャッチャーめがけて投球した。始球式の前には緊張した様子も見せず、笑顔で待機。真新しいボールを渡されると、嬉しそうに手の中で転がしていた。
ナットベリースタジアムの右翼スタンドにあるBBQコーナーで野球観戦しながらBBQを楽しむJETAABCメンバー
日本とのつながりを大事に
JETAABCソーシャルメディア・コーディネーターのワンダ・リーさんは、このイベントが始まったきっかけを、日本の雰囲気を感じていたいからと説明した。「日本の夏と言えば、野球観戦。これ以上、日本的なものはない」と笑う。リーさん自身もJETで7年間日本に滞在。「日本を離れる時はすごく寂しかった。今でも恋しくなる時があります」という。 JETに参加してカナダに帰ってきた参加者には、日本を恋しがる人も多いという。文化やフード、親しくなった人々、日本語など、日本とのつながりを大事にしたいと数々のイベントを開催している。 そうしたイベントの企画や運営をしているのがJET同窓会。BC&ユーコン支部はカナダではトロントに次ぐ規模だが、活動自体はカナダで最も盛んな支部だという。会長のマイケル・ダリーさんは、日本でいろんないい経験をしたことを、バンクーバーでも普及させようとメンバーが活動していると話す。「ずいぶん前にJETに参加した人も多いんですけど、その経験を活かすのは参加者にとって一生のコミットメントでしょうね」と笑った。 同窓会の活動の半分は、直接JETに関わるもので、これからJETで日本へ行く参加者の研修や、JETから戻ってきた参加者の就職活動やカナダ社会への復帰などを支援している。それと共に、月に1回程度、日本文化を味わえる活動を企画。日本語の講習会も実施している。日本にいる間に覚えた日本語を忘れたくないというメンバーも多いという。こうしたさまざまな方面から日本とのつながりを維持しつつ、バンクーバーの日系社会とも連携しながら活動を行っている。 JETプログラム、「語学指導等を行う外国青年招致事業」(The Japan Exchange and Teaching Programme)は、日本政府が1987年に開始。アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国から第一期生が参加した。カナダからは翌年の1988年から参加。以来、多くの参加者が日本各地で活躍している。JETAABCは1990年代中頃に立ち上げられ、現在メンバーは600人を超えている。
国歌斉唱はNAVコーラス
カナディアンズが今季もプレーオフ進出
サビーナ・ゼンゲミュラー・ササクラさんは13年前にJETに参加し今回が2度め。応募資格の年齢制限最後の歳で、再びJETに申請したという。 5歳の娘を連れて兵庫県朝来(あさご)市で英語教師となるサビーナさんは「心地良い生活を離れて新しい国に行くのは希望と夢と不安でいっぱいだと思います。13年前、初めてJETに参加したときの私もそうでした。でもJETは自分について学ぶいい機会です。これからの1年、私は中学校で英語を教え、娘は日本の幼稚園へ通い、夫はカナダに残ります。お互いに頑張りましょう」と挨拶した。 続いてBC州JET同窓会会長のマイク・ダリーさんが「カリフォルニア・ロール、ジャパドッグなど、日本人は独自の文化を取り入れた創作が上手だと思います。みなさんも教室内にとどまらず、ユニークな文化体験をしてきてください」とアドバイスした。
(取材 三島直美)