BC州から期待と興奮でいっぱいの34人が日本へ出発
8月1日、BC州からJETプログラムに参加する34人の壮行会が在バンクーバー日本国総領事公邸の庭園で行われた。34人中29人が出発を翌日に控え、期待と興奮でいっぱいの面持ちの中、岡田誠司総領事ほかBC州JET同窓会会長らが激励の言葉を贈った。
日本へ旅立つ34人にアドバイスと激励の言葉を述べた、在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏
カナダはJET参加者数世界第2位
1987年、外国語教育の充実と地域レベルの国際交流、諸外国との相互理解を目的に始まったJETプログラム。これまでに42カ国から4000人以上が参加し、カナダからは合計8427人を日本へ送り出している。カナダからの参加者総数はアメリカに次ぎ世界第2位。イギリスが第3位にランクされている。 今年はカナダから183人が参加。BC州から参加する34人のほとんどがアシスタント・ランゲージ・ティーチャー(ALT)として中学・高校で英語教師のアシスタントを務め、3人が国際関係コーディネーター(CIR)として、役所や国際機関で任務に就く。
日本での新しい生活を祝して乾杯!
JETプログラムの発展
1988年にオタワの日本大使館に赴任していた岡田総領事は、当時約2万人の日本人英語教師が働く日本の中学・高校へカナダからの英語教師を送り込むために、日本の文部省とカナダ政府との間の交渉にあたったひとり。JETは日本政府が行う英語教育を目的としたプログラムの中で、最も成功しているプログラムのひとつに発展した。 「赴任校にはすでに日本人英語教師がいますので、心遣いも忘れないように」とアドバイスした上で「日本で英語を流暢に話せる人は2パーセントに過ぎません。英語を教えながら、カナダのマルチカルチュラリズムを紹介し、日本での生活を楽しんできてください」と励ましの言葉を述べた。
総領事公邸の庭園で行われた壮行会
2度目のJETで娘を同伴
サビーナ・ゼンゲミュラー・ササクラさんは13年前にJETに参加し今回が2度め。応募資格の年齢制限最後の歳で、再びJETに申請したという。 5歳の娘を連れて兵庫県朝来(あさご)市で英語教師となるサビーナさんは「心地良い生活を離れて新しい国に行くのは希望と夢と不安でいっぱいだと思います。13年前、初めてJETに参加したときの私もそうでした。でもJETは自分について学ぶいい機会です。これからの1年、私は中学校で英語を教え、娘は日本の幼稚園へ通い、夫はカナダに残ります。お互いに頑張りましょう」と挨拶した。 続いてBC州JET同窓会会長のマイク・ダリーさんが「カリフォルニア・ロール、ジャパドッグなど、日本人は独自の文化を取り入れた創作が上手だと思います。みなさんも教室内にとどまらず、ユニークな文化体験をしてきてください」とアドバイスした。
5歳の娘さんを連れて兵庫県朝来(あさご)市の中学校に英語教師アシスタントとして赴任するサビーナ・ゼンゲミュラー・ササクラさん。日本人のご主人はカナダに残り、娘さんは日本で幼稚園に通う予定
見(左から)「日本は初めて。『こんにちは』くらいしか知りません」というナタリーさんは仙台市へ。「北海道でシーフードを食べるのが楽しみ」というレイチェルさんは石狩市へ。高校卒業のとき日本へ記念旅行をしたというイアンさんは沖縄へ。高校生のとき広島へ行ったことがあるマデレーンさんは仙台市へ出発する
(取材 ルイーズ阿久沢)