「世界をカキまわす!!」 

 

6月29日、リステルカナダ社主催の第4回牡蠣の早あけ大会が開催された。 日本からは泉祥子さんが初参戦し、大健闘した。

 

優勝したアイザックさんと泉祥子さん

 

 世界から招待された名だたるシャッカー(牡蠣あけ師)に対し、日本からは銀座で牡蠣バーを経営する泉祥子さんが初参戦。和装姿が会場の華となり、大いに観客を沸かせていた。緑の芝生の特設会場には 1500人を超す人々が集い、目の前で次々にあけられる牡蠣や、BC州のワインそして、ベアフットビストロ・レストランの創作料理も楽しんだ。新鮮な牡蠣はバンクーバー島の北にあるリードアイランドのソーミルベイから当日朝届いたばかり。会場ではバーテンダーたちが腕を競うブラッディーシーザーバトルも同時に開催された。

 

 カナダ、アイルランド、アメリカ、日本などから招待された14人のシャッカーは、予選・準決勝・決勝へと進むトーナメントで3回勝ち抜かなければならない。3種類30個の牡蠣を単に早くあけるだけでなく、中身に傷はないか、殻の破片が入っていないか、水が残っているかなどが審査基準となる。

 

 今年初参戦で日本オイスター協会認定グランオイスターマイスターの資格を持つ泉祥子さん。「てこ」の原理のT字型オイスターナイフと普通のナイフの2本を駆使し、筋肉隆々の男性選手に対抗、約5分で丁寧さと美しさでは間違いなく一位の技で、会場の声援を一身に浴びていた。惜しくも準決勝進出は逃したが、「初めてのカナダがとても気に入りました」と語る泉さん。「綺麗に仕上げることに集中し、ぶっつけ本番で初めてあける牡蠣もありましたが、要領が分かったので来年は頑張りたいです」と、早くも来年に照準を合わせていた。

 

着物姿で牡蠣をあける泉祥子さん

 

 1位の優勝賞金5000ドルはペナルティーを加えた合計タイム4分12秒で仕上げた、イエールタウンのロドニーズオイスターハウスのアイザック・デル・キャンポさんに。またブラッディーシーザーバトルの優勝は、和のテイストで勝負した地元ウィスラー、寿司ビレッジのエイミー・ハドルさんにそれぞれ贈られた。

 

 会場ではサイレントオークションも行われ、この大会の収益金は、戦争被災地の子供たちのために、プレイグラウンドを作ることを通して希望や平和を願う「プレイグラウンド・ビルダーズ」と「ウィスラーブラッコム・ファウンデーション」へ寄付された。

 

パーティー客であふれかえるガーデン会場

 

 以前の3倍以上の規模となり、大盛況だった第4回牡蠣の早あけ世界大会。主催者であるリステルカナダ社副社長の上遠野和彦さんは、「今年はレストランを飛び出して、ウィスラーの大自然に囲まれた屋外のガーデンパーティーという初の試み。牡蠣生産業者であるソーミルベイと多くのワイナリーとHISのご協力なしでは実現できませんでした。心から感謝しております。おいしい牡蠣を食べるならBC州だね、ともっと広まってほしいですね」と語った。

   

(取材 野口英雄)

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