スピーチをするスピード・スケートのデニー・モリソン選手

 

 

未来のシドニー・クロスビー(メンズホッケー)やスティーブ・ナッシュ(バスケットボール)を目標にカナダのアスリート達はオリンピックの金メダルをめざしている。PWB社は2002年から地元・BC州のアスリートを支援するプログラムを始めた。これまで9人の若者を援助し、その内3人はオリンピックへ参加、そして1人は金メダルを獲得している。


今回のプレゼンターはオリンピックで過去4回メダリストに輝いたスピード・スケート選手のデニー・モリソンさん。「自分と比べて全てに優れていた2歳年上の兄をライバル視していた僕が、17歳になり素晴らしいコーチに出会い、チームメイトにも支えられてこれまで歩んでこられた」とふりかえった。期待されたバンクーバーで個人メダルが取れなかった悔しさ、エゴとの戦い、そしてソチで勝ち取った銀メダルの陰にチームメイトのギルモア・ジュニオさんがいた(注:予選ではジュニオさんが1000mの権利を得たがチームのために辞退しモリソンさんに譲った)ことを紹介し、未来のアスリートやコーチ、そしてコミュニティー向上の夢を支援するこのプログラムの素晴らしさと必要性を強調した。ずしりと重みのあるメダルを披露してくれたモリソンさんは、新報の読者に「みなさんソチで観てくれたかな。僕もまだがんばっているから自分の夢をあきらめないで」とメッセージをくれた。

 

 

左から:小松和子さん、 トム・マクエーベイさん、ランドン・マッガウリーさん

(前列)、ニック・ゴプレンさん、アンディ・ホワイトさん、デニー・モリソンさん

 

 

4人の受賞者はランドン・マッガウリー(パラ・アルペン・スキー)、ニック・ゴプレン(スピード・スケート)、トム・マクエーベイ(レスリングのコーチ)、アンディ・ホワイト(やり投げ)だった。受賞者は各自2000ドルのチェックを受け取りこれからの活躍が大いに期待される。

 

左から:小松和子さん、ランドン・マッガウリーさん、デニー・モリソンさん

 

 

「人生にはバランスが大事」と、Cariboo Genuine Draft 20本パックの売り上げをサポートに使う決心をしたPWB社の社長である小松和子さん。小松さん自身はテニスや水泳などいろいろなスポーツにトライしたが途中でやめてしまうほど苦手だったそうだ。1人のオリンピック選手を育てるには小さい頃から練習をさせなければならない。それにかかる大きな費用のために家族が犠牲になる。PWB社はこれまでそういう選手を個々に育ててきたが、今回からコミュニティー単位で大きく援助する基盤を作りたいと考えた。また選手だけでなく、時間とお金を無料奉仕しているコーチ達も対象にした。「一般の人が知らない彼らも認めてあげたい」と小松さんは語る。2015年の冬季国体への抱負を尋ねると「できるだけBC州からメダルを取る選手が出てほしいですね」と笑顔で答えてくれた。

(取材 ジェナ・パーク)

 

 

左から:小室徹夫社長(Mitsui & Co. Canada), トム・マクエーベイさん、デニー・モリソンさん


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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。