東京アカデミー合唱団(写真提供 東京アカデミー合唱団)

 

東京アカデミー合唱団

今年9月に創立50周年を迎える東京アカデミー合唱団は、1964年オーケストラつきの古今の名曲を演奏することを目的に創立されたアマチュア合唱団。150人前後の構成は、音楽を専門に学んだ人から音楽が大好きという合唱初心者まで、学生・主婦・社会人などさまざまなメンバーで構成されている。

発足して3年後に同合唱団の常任指揮者に就任した秋山和慶氏がVSO音楽監督(1972~85年)を経て現在、桂冠指揮者であることから、団員らはいつかはバンクーバーに出かけて秋山先生の指揮で歌えたらと話していたそうで、このゴールデンウィークにその夢が実現する。

 

秋山和慶氏との47年

1967年に常任指揮者に就任した秋山和慶氏から、「ともに白髪が生えるまで一緒に勉強していきましょう」と言われたことが、今日まで同合唱団団員に語り継がれている。

「流麗な棒で音楽の迫力や美しさと深みをスケール大きく表現されるのは、当時も今も変わりません。最近は緩急や間の取り方で音楽が自然に呼吸をしているような感じがします。先生は感情的にはけっしてならず、ユーモアを交えて問題点を的確に指摘してくださるし、公演では我々を『魔術』にかけ『本番が一番良かった』という結果に導いてくれます。ヘタだけれど上手くなろうと努力をするアマチュア合唱団には理想の指揮者です」と東京アカデミー合唱団代表の長谷川潔さん。

 

日本とカナダ、 老舗合唱団の共演

『カルミナ・ブラーナ』はオルフ作曲の華麗な合唱曲の傑作。昨年10月末から合唱団の東京での公演曲の練習とは別に週1回『カルミナ・ブラーナ』の練習をしている同合唱団では、パート間の調整をする必要がないぐらい各パートのバランスも取れているという。

「マエストロの第2の本拠地ともいえるバンクーバーに行けると、皆楽しみにしています。共演は歴史あるバンクーバー・バッハ合唱団です。日本とカナダを代表する老舗合唱団が合同で、しかも秋山先生の棒で歌うのですから、きっと良い演奏になると思います。多くの方々に聴いていただければ嬉しいです」と公演前にメッセージを寄せてくれた。

(取材 ルイーズ阿久沢)

 

秋山和慶指揮者(写真提供 VSO)

 

秋山和慶(あきやま・かずよし)


指揮者・音楽監督。1941年生まれ。
斎藤秀雄のもとで指揮法を修め、1963年に桐朋学園大学音楽学部を卒業。
1964年2月に東京交響楽団を指揮してデビューののち40年にわたり同団の音楽監督・常任指揮者を務め、2004年9月より桂冠指揮者に就任、現在に至る。
トロント交響楽団の副指揮者(1968〜69年)、バンクーバー交響楽団音楽監督(1972〜85年、現在桂冠指揮者)。
広島交響楽団音楽監督・常任指揮者、九州交響楽団首席指揮者・ミュージック・アドバイザー。1967年に東京アカデミー合唱団の指揮者に就任し現在は音楽監督。
2001年紫綬褒章受章。

 

カルミナ・ブラーナ(Carmina Burana)

5月3日(土)&5日(月) 8pm オーフィアム・シアター VSOバンクーバー・シンフォニー・オーケストラ、バンクーバーバッハ合唱団、東京アカデミー合唱団、トレーシー・ダール(ソプラノ)ほかテナー、バリト ン チケット:$25〜88(学生、シニア、VSO年間購買者割引きあり) www.vancouversymphony.ca または電話 604-876-3434

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