アニメについての研究発表

 

今回の文化祭は、UBCアジア学部の日本語科だけでの開催とは思えないほど規模が大きかった。開会の挨拶でアジア学部長のロス・キング教授は、「近年他の大学では中国語がブームになり、日本語を学ぶ生徒が減っているが、ハワイを除くとUBCでは日本語を学ぶ生徒数が北米で現在一番多い。このイベントで1年生から4年生まで2000人以上の学生達が日頃どのように日本語を勉強しているかぜひ知ってほしい」と語った。

在バンクーバー日本国領事館の内田晃首席領事は、お茶会に参加した際、カナダに住んでいる人が自分よりもっと日本的で辛抱強く正座をしていたというエピソードを紹介した。また、日本文化にとって、自己鍛錬が大切であり、結果よりプロセスを重視する向きがあると語った。

シャラリン・オーボー教授によるポップカルチャーと漫画についての講義では、外国人が日本文化を知るには、漫画が一番であると説明。漫画は無国籍であり性別、年齢、ジャンル、性の好み等を超えて、どの人にも合う漫画があると語った。一部上映された宮崎駿の「千と千尋の神隠し」に観客は熱心に見入っていた。

 

 

司会も英語と日本語両方で

 

まい子ベアさんによる茶道の講義の後には、茶室でのお茶会も開かれた。剣道クラブのデモンストレーションに続き、華道のデモンストレーション、琴の演奏も披露された。また、UBCと立命館大学合同主催の「3.11 東日本大震災、復興、そして未来」と題した講義とパネル・ディスカッションや、東北の人達に向けたメッセージのビデオ展示など、この問題に取り組む生徒達の真剣な姿勢も見られた。また、立命館大学の留学生達が東北震災の展示やイベントに個人参加していた。

日本語科のイーファ・キム先生によると日本語を習っている生徒はカナダ人だけでなく、新移民、他国からの留学生などバックグラウンドも様々であるそうだ。今回、生徒達はポスターやボードを手作りし、日頃の学習成果を紹介することに真剣に取り組んでいたという。また、自主的に剣道、茶道、華道、漫画、歴史など興味のある日本文化についてもリサーチした。メインイベントのタレントショーではチームワークの良さの目立ったパーフォーマンスが印象的だった。

 

イーファ・キム先生(中央)とタレントショーのダンサー達

 

立命館大学生とUBCの学生との共同による、東日本大震災のパネルディスカッション

 

閉会の挨拶で、UBCのレベッカ・チャウ教授は、日本語を学ぶ学生の動機を調査すると、日本語、日本文化、趣味の順番になっていると語った。これからも日本語を学ぶことが趣味のようになれば、先生方も楽しく教えられると語り、イベントをサポートした日本語科の先生や多数のボランティア、来場者に感謝の意を述べた。
UBCでの初めての日本語科オープンハウスは大成功で幕を閉じた。

(取材 ジェナ・パーク)

 

華道のデモンストレーション

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