展示した作品の前で出展者の4人(写真左から) サミー高橋さん、
藤田将毅(まさき)さん、NJさん、森浩輝(ひろき)さん

 

 

写真展開催のきっかけは藤田さんが通う英語学校セルクカナダにある。同校の教務ディレクターであるサミー高橋さんは、学生がカナダコミュニティへ入り込んで人生を切り開く経験を作れるよう、積極的に後押ししている。高橋さんと同じく写真が趣味の藤田さん。アドバイスを受けながら、会場スタッフや仲間とミーティングを重ね、開催に向けて準備してきた。出展者の一人、タイ出身のNJさんとのやり取りなど、実践で英語を使うことも貴重な経験だ。

夜景の中にイカが浮かび上がっている。ライトアップされたバンデューセン植物園の中でのワンショットだが、「(庭園にイカの置物を飾るなんて)こんな発想日本じゃあり得ない」と藤田さん。花火を見に行き「プリティ」と表現したカナダ人の声を聞いたことも驚きだった。そんな表現で語られるほど花火が小さいことを逆手に取ってBCプレースの横に配置した写真もある。

幻想的な世界へいざなう花の写真(森浩輝さん)、不思議なストーリーを生んだハワイの海(サミー高橋さん)、シンプルで奥行きのある世界を展開する風景写真(NJさん)と共に展示された自分の作品を「子どもっぽいと思った」と語る藤田さん。「でも、藤田君の写真は色がとってもきれいで目を惹く」とゲストからコメントを受けて恐縮そうな姿を見せていた。

共にひとつの事をなした連帯感と充実感。彼ら4人のコラボの経験が藤田さんの今後の作品にどんな深みと色彩を加えていくのだろうか。

 

(取材 平野香利)

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