2019年3月14日 第11号

 国道1号線を運転していた。突然、「バッカン!」とすごい音がし、車に振動が伝わった。

 かなり前方に車の渋滞が見え、老婆はスピードを落した、その時だった。バッカン音と振動。「あれー、大丈夫?どうしたの?」私はマツダMPVの同乗者7人に聞いた。「後ろで車がぶつかった。」と誰かが言った。前方渋滞最後の車と『何故』か、私は無意識に車間距離2〜3メートル広ーく空けて停車した。と同時に後方から白い小型事故車が私の運転席すれすれに国道1号線「左側」の広いグリーンベルトに彼の運転席のドアをパーッと空けたまま突っ込んで停車。と同時にその車を追ってもう1台、青い小型車が、これもまた恐ろしいスピードで白い車に次いでグリーンベルトに突入。しかしそこで停まれず、さぁと右に向きを変え、なんと私の車の前2〜3メートル空間に入って来た。あっ!と思ったが、その瞬間、まるでサーカスのように「右側」車輪で車を横に立て前の車のお尻にガガッガッとぶつかりながら滑るように通り抜け、そのまま道を横切り、国道右側のグリーンブッシュに突っ込み停車。一瞬のうちに遭遇した「自分の車を360度グルーと囲んで起きた3台の車の大事故」だった。 そして、その真ん中でボー然と運転席にいた私は何事もなく、この奇跡的出来事に驚いていた。全員無事を「感謝」し、不動の事故車をよけて、右側にレーンチェンジし、渋滞の終わった国道をスムーズに、まるで何事もなかったかのように、バンクーバーへ向けて戻って行った。

 ずいぶん前だった。ある時、旅行会社を経営する明るく楽しい友人を訪ねた。彼女が「澄子さん、小林正観を知っている?」「知らない。」そう、その人がねぇ。旅行作家なんだけど、時々おもしろい講演をするの。彼のビデオを観たのよ。その講演で3千回「ありがとう」を言うと「うつ病」が治るって言ってねぇ。その講演を聞いた「うつ病」の女性が講演終了後、彼に会いに楽屋へ行ったの。そして、「自分は10年以上うつ病で苦しんでいる」と話したら、正観さんは「それはお気の毒ですねぇ。では『ありがとう』を3千回をやってみたらぁ?」 すると、その女性は、「3千回も言えません」と答えました。正観さんは無理強いしませんから「じゃぁ、勝手にしたらぁ」と言って別れました。 そして1週間後、その人から正観さんに電話があり、「私、『ありがとう』を3千回言ってみました」と言うのです。それで、正観さんは「そうですかぁ、今晩、僕の講演会がありますがいらっしゃいませんかぁ?」すると「ハイ、行きます。」と元気な声が返ってきた。その時、正観さんは彼女のうつ病が治ったと分かった。

 その話を聞いて、私は彼の本を読み漁るようになり、馬鹿げたような彼の話の底に沈む真理をたびたび発見、ハッとする喜びがあり、彼が62歳で他界するまで、私は毎年彼の講演と勉強会にと沖縄へ行っていました。そして、ここバンクーバーでも彼の講演が開催されました。その講演会に沖縄から7人が来加したのです。そして、講演終了後、皆で国道1号線をホープまで行きました。

 3台の車の事故は、その帰りに起きたのです。ありがとうを「3千回」でなく「6千回」繰り返し、常に感謝を忘れず生きている7人の沖縄の方達でした。ふっと思い返すと正観さんは「358」の幸運話をしたことがあります。(興味ある人は彼の本を読んでください。多分、仏教に関係ありそうです。3は「三蔵法師」、5は「孫悟空」、8は「猪八戒」から来ているみたいです。そして、私の車番号は「583」で「358」ではありません。大阪から来た知人が「やーぁだ、この車の番号『583』じゃない!『ご破算』」と喜んだ人がいた。考えてみると「ご破算 ゴハサン」だから良い意味のはずがない。しかし、正観さんの言うラッキー番号が3つまとまっているので私は大切にし、車を替えても車番は同じものを使っている。大事故の真ん中で【九死に一生】を得られたのは、「ありがとう経」のご利益? それとも『358』のご利益。でもとにかく「ああ、私達は無事だった。」ありがとう!

許 澄子

 

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