2019年2月28日 第9号

 2月6日、月曜日、老婆は日系女性企業家会が主催する、茂木健一郎氏講演会の実行委員会のミーティングに行った。

 なんだか、少し時を逸して、自分が難聴で、眩暈で、歩行もおぼつかず、左足の痺れがあるのにふっと気が付く。痛みがないからだが、元気だった自分がいつも頭の中にいる。何かやる時、その元気な昔の自分が返事をするから、何でもできるつもりでいる。気が付くと誰も同意してくれない…のではなくて同意できないのだ。そして、やっとというか、ふっと自分で「そうだ、私は難聴、眩暈と歩行難だ。」と思い出し、大変ひがみっぽくなる。

 そんな情けない自分、それに切実に気付いたのは、実にこの委員会に参加できたからだ。委員会の皆はこの老婆の自主参加に誰も反対しないし、それどころか皆、親切に協力してくれる。しかし、それほど何もできない自分を、しっかり自分が「自認」したその時、老婆はやり切れない思いになった。自分の存在が、逆に他の人達に迷惑をかけることすらある。それがたまらなく情けなくなり、仲間の一人に愚痴メールを送った。すると数行だか、ハッとする答えが返ってきた。すばらしかった。彼女はこう言った。 「私達は自分でできそうな場所を見つけてサポートに回った方がいいと思います。」「私達シニアには、シニアの役割があると思います。」「やはり忘れっぽかったり、思い違いをしたりする現実は認め受け入れなくてはならないと、私は考えています。」「しかし、私達には若い人達よりも豊かな経験から得た、かけがえのない財産があります。」「その経験には物事を広く深く見てより、ふかん(俯瞰)的な立場で意見を言うことができます。」「とくに、日常の暮らしの中でおにぎり一つ握るのでも、どこか老婆の握ったものはひと味違ったりするものです。」「澄子さん、まだまだ私達には私達のやり方で、生活をシェアして生きていけます。いぶし銀のように光を放つことができます。」「元気でゆっくりと頑張りすぎないようにして、周囲の人達に幸せな一人の人間の姿を観てもらえるのは幸せで嬉しいことだと私はおもっています。頑張りすぎないように、でも頑張りましょう。」さえ子…ありがたかった。

 今、私達が企画実行中なのは2019年4月20日にバンクーバー中央図書館 Vancouver Central Library 350 West Georgia Street (Alice MacKay Room) での講演会だ。茂木 健一郎(もぎ けんいちろう、1962年〈昭和37年〉10月20日生まれ)は、ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員。学位は理学博士、東京大学・1992年(平成4年)。身長171cm。血液型O型。 脳科学者、作家、ブロードキャスター。クオリアを研究。『脳とクオリア』『生きて死ぬ私』『脳と仮想』『今、ここからすべての場所へ』『東京藝大物語』『ペンチメント』

 ずいぶん前に「阿頼耶識」人間の持つ第八感に通じる、『ここではないどこかを思いつつ、足元を見つめている、そんな日常。 人間の脳は、ふしぎです。1リットルの脳の中に、現実も、夢も、宇宙も、すべてあるんだからなあ。』という彼のブログの最初に書かれた一行を発見、老婆はそれを繰り返し、繰り返し読んで、口に出して言ってみる。

 それから、彼のブログをあれこれ読み始めた。人間に興味を持つすべての人、例えば、精神世界に興味のある人や宗教を持つ人、不思議大好き人、宇宙人、波動の法則、以心伝心、超能力。何でもいい、とにかく、おもしろい。きっと彼の話には、今世界中に流行し始めた日本語「IKIGAII」「生き甲斐」に関することがいっぱい詰め込まれ、それがこのバンクーバーで300人の観客にパーと投げこまれる。そんな光景を思いながら、80歳を迎えたこの老婆も『生き甲斐』…。それって、必要なんです。楽しみだなぁ。4月20日の講演。

許 澄子

 

 

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