2018年8月9日 第32号

 最近、友人宅でポットラックパーティーがあった。綺麗に飾られたテーブルに握り寿司があり、老婆は3個ほどお皿に乗せ、他に色々煮物を取り、近くの席に座り友達と話をしながら食べ終わった。まだデザートにはなっていなかった。気が付くと隣席の知人は床に屈みこみ、ナプキンで床を拭いている。そして、にっこり笑いながら、私のスリッパを脱いで見せろという。そして、スリッパを見ながら「ああ、ご飯粒ついていないわねぇ」と言ってスリッパを返してくれた。それから、老婆は台所へ行った。そこで、ニコニコ笑顔の主婦に声をかけられ、スリッパを取り換えてくれと丁寧に言われた。

 79歳になるとこれまでまぁ色々な方のお家にご招待して頂いた。でも、ご飯粒を踏んだ疑いで、今掃いているスリッパを取り換えろと言われた事は「1度」もない。結局、さっき床を拭いた女性が多分そう助言したのだろうか? 老婆は言われたとおりスリッパを取り換えたが、その汚れているはずのスリッパを見たご主人は「あーら、ご飯粒ないわね、でもさっき踏むのを見たので…」

 大体ね、握り寿司はパクッと一口で食べ、ご飯粒が落ちるわけもない! と言うのが事実。でもねぇ、そうだ! 自分は、今「ご飯粒をこぼし」その場を汚す「危険人物」年齢に達しているのだと気付いたのだ。それに「品の無さかなぁ」と食べ方の問題もある。つまりねぇ、東京でも有名なガラの悪い繁華街のど真ん中で◯◯組のヤクザと一緒に育った子どものなれの果て。情けない。でもね、上品な食べ方研究が必要と今回、認識、「今更なんて思わない」、「これからだ!」と頑張る老婆なのです。

 そして、また今日も1日過ぎた。老婆はITが不得意で送信が読めない時がある。先日、運よくフェイスブックが開けられた。そこに小さな少女が野外のテーブル上のピザかなぁ? 何かを、近づいた小鳥にあげている動画を見た。余りにかわいいので何回も、何回も見た。丁度、時を同じくして、老婆の仕事机の横に小鳥が来てとまった。それは家の中、外から入って来たのです。カメラを向けるとサーっと飛び上がり、近くのソファに行った。そこで撮影できた小鳥の写真を、FB動画の主に送信すると、こんな素敵なメールが返信された。

 

すみこさん、

写真ありがとうございます。小さーーい、かわいいいいーー鳥って幸せを運んできてくれますよね!! 昔、まだ宇治に住んでた時にね、私、野鳥が家に来るの待ってて、庭の木にみかん半分切って、枝に突き刺して、ヒヨドリやメジロが来るの待つのが日課だったの(笑)お店の軒先に来るのをじーっと観察。近くのツバメの巣から落ちたツバメの赤ちゃんを巣立つまで育てた事もある!! 名前は、すわろうくん。英語のswallowから取ったの(笑)毎日せっせと虫を採って、ピンセットでエサやってた私(笑)お茶屋さんなので、犬猫は飼ってはだめと言われたので、野鳥でガマンしてました!(彼女の家は京都で数百年の歴史を持つお茶屋さんです。)  

 

 そして、もう一つ、詩吟を吟じるある他のこの老婆のひとりごとを読んで下さる方に、同じ小鳥の写真を送信すると、素晴らしい野生の小鳥と一緒の写真と共にこんなメッセージが届きました。 

「写真は我が家の夏の庭、インコ、ブルージェイ、ハミングバード、ゴールドフインチ等で結構賑わいますので、目の保養になります。」

 そういえば今日もまた間違って老婆の台所にハチドリが飛び込んで来た。ガラスドアから悪戦苦闘して出て行こうとしていた。結局、私が手で捕まえ表へ出してあげた。だけどハチドリって綺麗な鳥だ! また別の日、大きなラクーンがこれもまた台所に入って来た。買ってあった棚上のパンを袋ごと床におろして食べていた。老婆がそれを見ていると「ママ、ラクーンと友達になろうなんて思わないでね!」と厳しい娘の声が聞こえた。

 バンクーバーってそういう所なのですよねぇ。幸せだなぁ。

許 澄子

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。