2018年5月10日 第19号

 「まさかぁ」って、そうですよ。『私、結婚できないんじゃなくて、しないんです』、これは79歳の老婆のことではありません。3月に日本へ行き、その帰りに空港で出発時間まで余裕があったので本屋に行った。入り口に山積みにされた本、多分、よく売れているのだろう。手に取ると『私、結婚できないんじゃなくて、しないんです』という題の本だった。

 1400円、なにが書いてあるのか知りたくて、老婆は買った。読み始め、「もう嫌になっちゃう!」こんな本、今の若い人、本当に喜んでこの本を読んでいるのだろうか?

 昨日、ある青年とランチを食べた。40歳前の息子と同年齢の彼、立派に成功したビジネスマンだ。しばらく連絡がなかったし、昨年の暮れに、それは素晴らしいハネムーンの写真を受信。今頃、新婚生活を楽しんでいるとばかり思っていたら、なんと最近のメールで「離婚」したと言うではないか! 信じられない。それで会うことにした。会って慰めようと思ったら、いつものとおり明るい。なんだか離婚で心が傷つき情けなそうかなぁ、「慰めてあげねば」と思ったのは「余計なお世話」だった。

 あまりに自分の世界と違うので、ここでもう一度「嫌になっちゃう」本を取り出し、再度、若者心理を勉強しようと『私、結婚できないんじゃなくて、しないんです』を読み始めた。そこには、もう老婆の好きなオペラ、ロミオとジュリエットの世界はなかった。最初に目に付いたのが、なんと「彼氏でなくて、仮氏を作りなさい」とあったところ。それを「仮氏理論」と言い、次々にいろいろな理論が並ぶ。「吊り橋トーク」これは男を褒めて上げたり下ろしたりする話術が大切、「リサイクル理論」これは既婚者が浮気で寄ってくる場合である。これは「リサイクルで利用しなさい」という事だ。そして、外国語のような言葉「キモイ」「ファーブルナンパ」「ガチスピリチュアル」「王道アイテム」etc…。まぁ、カタカナの多いこと、老婆には解読不能だが、一つだけいいなと思ったことが書いてあった。「魅力的なコミュニケーションは外見を超越する」。

 50歳になる娘にこの話をしたら「ママ、成田離婚知ってる?」と言われた。いろいろ人間関係あるけれどねぇ…互いに愛をもって、信頼し、いたわり助け合い、感謝し、明るく生きて行こうと思う若者が減っているの? そう思ったら、聞こえてくるのはこんな心の叫び声…「そんなこと? 絶対ない!」

 このバンクーバーにはいろいろなコミュニティがある、そこで老婆が出会う老若男女、皆あったかーいのですよねぇ。先日、日系センターで春祭りがあり、難聴老婆もボランティアに応募。若いボランティア達は優しくて、明るくて、はきはきして、彼らと一緒に「I help YOU!」と働く。そこに若者達の溢れる意気込みが感じられた春祭りでした。この日系センターの行事だけでも数百人の老若男女のボランティアが居るのですって!何はともあれ良い日系コミュニティ、そこに生きるバンクーバーのこの老婆、計算機もない時代から生き続けて、ずいぶん時代遅れ、でもねぇ、なぜか「幸せ」なんです。

許 澄子

 

 

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