2017年1月12日 第2号

 若く美しい白人の女性と仕事で一緒になり、家がすぐ近くなので、互いに行き来するようになったことがあった。

 彼女が休日、赤ちゃんを抱いて遊びに来た。我が家にたくさん飾ってある競馬の優勝写真を見て、自分の祖母が競馬好きだと話し始めた。そのお祖母さんは「ティーリーフ占い」をするという。占いで出た番号を競馬レースで買うと結構当たり、仕事をせずに、なんとそれで生活している面白い人だという。興味があれば「ティーリーフ占い」をやってもらいなさいと薦める。「うーん、面白そうだ」と、私はわくわくする心を静かにして、「見料は?」と聞くと「無料」とのこと。

 そして、2月の中旬、これまた素敵な彼女のお祖母さんがやって来た。お茶を飲みながらおしゃべりし、本当に楽しかったなぁ。終わりにティーカップに残ったお茶の葉を見ながら、彼女の占いに聞き入った。彼女は私に「あなたは2週間くらいしたら、床に座り数人で楽し気に話をしている。その中に頭文字がCとBという人がいる。そして、ああー、あなたはココナツツリーの下にもいるわー」という。もう一つ大事なことは、「もし、近日中に競馬に行くなら「3-5-8」のTRIFECTAを買いなさい。必ず当たるから」と言った。他にも色々話したが、今はもう記憶にない。

 数日後、馬主の夫(当時夫は友人3人と「フォーエース・ステーイブル」と言う厩舎を持っていた)とPNEの競馬へ行った。彼女が薦めた馬はその日の人気馬で「3-5-8」が当たる可能性は高い。それでも私は半信半疑、わずか数ドルだけ買ってみた。ところが、その数ドルが何と350ドル近くになったのだ。実をいうとTRIFECTAの賞金というのは、普通何千ドルになることが多いのだが、この日の勝ち馬はもう決まっているような状態だったみたい。でもどうして彼女は知っていたのだろうか? その日に私が行くことすら伝えていなかったのに…。不思議。

 それから2週間少々過ぎた3月初旬、私は日本の実家へ帰った。そこで床の上に座り、頭文字CとBと…これは私の2人の娘の名前だから当たり。日本へ着いて間もなく、桐島洋子先生へ電話すると「澄子さん、明後日から沖縄へ行くのだけど一緒に行かない?」「飛行機もホテルも私の秘書として行ってもらえば費用はスポンサー持ち」。私は沖縄に行ったことがなかったので、二つ返事でOK。「どうでしょう、凄い!」沖縄に到着し、空港ビルから外に出た途端、目に入ったのはココナツツリーだった。

 これって私の楽しい体験なのだが、こうやって文に書き、やがて誰かが読むと「嘘ばかり」となるらしい。以前、「アンデルセン」という九州の喫茶店で行う「サイキックエンターテイメント」の不思議な話や、「アガスティアの葉」というインドで行われている占い体験を書いたら、結構、皆笑って信じなかったのよね。ある人なんか「アガスティアの葉」の占い場所をグーグルで探したのですって。この占い好きの老婆の助言としては、どうせ占って貰うのなら、その占い師をしっかり信じて占って貰うと、何だか良い結果が出るみたい。まだまだ不思議な占い話があるのですよねぇ。全然意味のない占いでも、当たると何だかうれしくて、「アレー、本当? どうしてぇー?」という瞬間が何ともいえず楽しい。

許 澄子

 

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