2020年2月27日 第9号

 年明けにスノーシューツアーに参加する機会に恵まれ、初めてスノーシューに挑戦した。スノーシューとは、雪上歩行具のひとつで、日本では同類の道具としてかんじきがある。スノーシューにしても、かんじきにしても、履くと接地面積が増えるので、体重が分散され、雪に沈まないシステムになっている。日本では、縄文時代にはすでに使われていたようで、北米では、約6千前に、中央アジアから、先住民に伝わったと言われている。そんな歴史あるスノーシューは、一見重たそうに見えるけど、最近では、軽くて歩きやすく、スパイクのおかげで下り道も滑ることがない。

 本ツアーでは、白銀の森の中を散歩しながら、アニマルトラッキングをした。動物が残した足跡を見て、どの動物のものか推測だ。20名ほどの参加者の中には、我が家のように小さな子供たちのいる家族や、友達同士で参加している若者、アニマルトラッキングにはまっている女性、シニアの方までと様々で、森の中を知り尽くしているガイドさんと一緒になって、足跡を見ては「これはリス! あれはフィッシャー(イタチのような動物で、北米のみに生息)」などと、すっかり寒さを忘れ、ワイワイと歩いた。そしてガイドさんが、ブナの木を見て立ち止まると、大きなひっかき痕を指した。クロクマが、ナッツを取ろうと木に登った痕だという。わー、こんなクマに引っ掻かれたら、痛いだろうな〜なんて思いながら、冬で良かったと安心したり…。

 あっという間の2時間。どうやら日本でもこの手のツアーは人気らしい。たまにはこんな冬の過ごし方も楽しいものだ。

 

スノーシューツアー

 

クロクマが木に登った痕跡

 

 


■小倉マコ プロフィール
カナダ在住ライター。新聞記者を始め、コミックエッセイ「姑は外国人」(角川書店)で原作も担当。www.makoogura.com

 

 

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