2020年4月30日 第14号

 カナダが新型コロナウイルスと闘っている中、感染拡大を食い止めるためにその先頭に立っている公衆衛生トップの愛国心を疑うというコメントを、野党議員がSNSに投稿して批判を浴びている。

 投稿したのは連邦野党保守党のデレク・スローン議員。保守党はアンドリュー・シェア党首が辞任を表明したため、今年初めから党首選に入っているが、スローン議員は党首選に立候補している候補の一人。スローン議員は21日、カナダ公衆衛生局長テレサ・タム博士を解雇すべきと主張。「国連、WHO(世界保健機関)、中国共産党の宣伝はカナダの公衆衛生にはいらない」と投稿している。そして動画内で、タム博士の忠誠心は「カナダにあるのか、それとも中国か」とコメントした。シェア党首は、スローン議員のコメントについて会見で聞かれると「言及する立場にない」と明言を避けた。

 タム博士は、英国領香港生まれイギリス育ちのアジア系女性。スローン議員のコメントは、アジア系カナダ人への差別的発言としても批判されている。この投稿について23日の会見で質問されたタム博士は、「私は今、カナダ国内のパンデミックを制御することに集中している。どんな雑音もその目的を達成するための妨げとはならない」と回答。現在は一日20時間仕事をしていると笑い、「多くの同僚と一緒にこの危機に臨んでいる。カナダチームの一員であることを誇りに思っている」と語った。

 スローン議員のコメントについては、保守党内からも批判が出ている。党首選ではほとんど無名で、最下位近くを走っているとされるスローン議員。売名行為だったのではとの声も上がっている。

 

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