2020年3月26日 第13号
新型コロナウイルスが世界中で感染拡大する中、カナダでは人々の不安を利用した詐欺が横行していることが多く報告されている。
カナダ不正防止センターのホームページには、3月18日付けでさまざまな新型コロナウイルスに関する詐欺行為が掲載されている。公衆衛生に関するものが多く、アメリカ疾病予防管理センターや世界保健機構を装い、自宅近所で新型コロナウイルスに感染している人のリストを売りつけるものや、カナダ公衆衛生局を装い、新型コロナウイルス検査で陽性反応が出たとして、処方箋のためにクレジットカード番号を聞くもの、赤十字やその他のチャリティ団体を装い、マスクなどの医療用品を提供して寄付を募るものなど、人々の不安につけ込んだ悪質なものが多い。こうした詐欺は、電話やEメール、テキストメッセージとありとあらゆる方法で何度となく送られてくる。カナダ不正防止センターは、疑わしい電話やリンクは無視すること、寄付を募ってくる団体については、はっきりとノーという勇気を持つこと、団体が登録されているか確認することなどと注意を促し、早く結果が出る検査、予防接種、魔法のように完治する薬などの言葉に騙されないよう警鐘を鳴らした。
また商業改善協会(BBB)の報告によると、スターバックスを装った詐欺も横行しているという。スターバックスカナダが今月20日に、テイクアウトを含めたすべての店内サービスを停止し、ドライブスルーとデリバリーのみとした頃から、バーチャルギフトカードを提供するメッセージが届き始めたという。メッセージにあるリンクをクリックして個人情報を入力させるというもので、詐欺の手口と警告している。この事態を受け、スターバックスはギフトカードを提供するというキャンペーンは実施していないと発表している。
BBBは詐欺メールのリンクをクリックすることで、パソコン自体が危険にさらされるほか、個人情報を悪用される可能性があるとし、現在のように多くの人が自宅から仕事をすることを強いられている状況では、1人が詐欺行為にかかると、その人につながっている多くの人に影響が出るとして、十分に注意するよう警鐘を鳴らしている。