2020年1月16日 第3号

 カナダ統計局は10日、2019年12月の労働統計を発表、雇用者数が3万5200人増加し、前月の大幅失業者増を改善したと報告した。失業率も5・9パーセントから5・6パーセントに改善した。

 11月は失業者数が7万1200人と、1カ月の失業者数としてはリーマンショック以来の大幅増となったため、景気後退の始まりかと12月の労働統計が注視されていた。

 雇用者数は民間企業で5万6900人増と、公的機関の2万1500人減を相殺した。フルタイムが3万8400人増、パートタイムは3200人減となった。

 業種別では製造業産業などが1万5700人増で、その大部分は建設業が占めた。またサービス産業で1万9400人増、宿泊飲食産業で2万4900人増となった。

 地域別では、オンタリオ州で2万5100人増で、建設業、行政職が押し上げた。ケベック州では2万1100人増で宿泊飲食産業と製造業が好調だった。

 失業率では、オンタリオ州で0・3パーセント改善して5・3パーセントに、ケベック州も同様だった。アルバータ州でも0・2パーセント改善して7・0パーセント、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州では0・2パーセント改善の4・8パーセントで全国で最も低い失業率となった。

 主要都市ではオンタリオ州トロントで前月と同じ5・0パーセント、オタワでは0・1パーセント改善して4・2パーセント、ケベック州モントリオールでは0・2パーセント悪化して6・0パーセントとなった。アルバータ州カルガリーでは0・2パーセント悪化して7・1パーセント、エドモントンでは0・3パーセントの悪化で8・0パーセントと依然として高い失業率となっている。一方でBC州はバンクーバーで0・1パーセント改善して4・8パーセント、ビクトリアは3・4パーセントと全国でも低い失業率となっている。

 カナダ銀行スティーブン・ポロズ総裁は9日にBC州バンクーバーで講演し、労働統計で前月の失業率からどう変化するか注視していると語った。カナダ銀行は2018年10月から金利を1・75パーセントに据え置きしている。今月22日に金利を更新する。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。