2020年1月23日 第4号

 中国湖北省武漢市で検出された新型コロナウイルスが原因とみられる肺炎を発症した人々が、首都北京や上海などでも確認されていることを受け、カナダでも水際対策として主要3空港で対策を講じることが分かった。19日、カナダ公衆衛生局(PHAC)が明らかにした。

 PHACは、カナダで新型コロナウイルスが拡大する可能性は極めて低いとしながらも、3国際空港では利用者に分かるような形で注意を促すと発表した。

 対象となるのは、オンタリオ州トロント国際空港、ケベック州モントリオール国際空港、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー国際空港。PHACによると、これらの空港では到着した乗客に分かる形でスクリーンに、「武漢を訪れた乗客でインフルエンザのような症状がある場合はカナダ国境サービス庁(CBSA)の職員に報告するように」とのメッセージを表示するという。

 さらにCBSAは、入国の時に申告する電子入国審査機の質問事項に、健康状態をたずねる質問を加えることを明らかにしている。

 今回のカナダでの措置は、アメリカが主要3空港、ニューヨーク・ジョン・F・ケネディ国際空港、ロサンゼルス国際空港、サンフランシスコ国際空港で、武漢からの渡航者に対して検疫を強化するとの発表を受けてカナダが発表した。カナダの各空港に武漢との直行便がないため、アメリカのような検疫態勢を取る予定は現在のところない。ただ北京や上海、香港などの空港を利用する人は多く、中国からの渡航者に注意を促す。

 中国が発表する感染者数は拡大する一方で、中国以外では、先週日本で1例、タイで2例を確認、今週には韓国でも確認されている。

 中国は旧正月の大型連休が今週すでに始まり、カナダでも多くの人々が中国を訪問するとみられている。中国の武漢地域を訪問予定の場合は、インフルエンザのような症状がないか特にカナダへの帰国時には注意し、気づいたことがあればすぐに報告するよう呼びかけている。

 感染を防ぐ一番の方法は手洗い、そしてくしゃみの時はティッシュを使用し、咳が出る時には手ではなく腕で口を塞ぐことを心がけるよう注意を呼び掛けている。

 

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