2019年12月12日 第50号

 カナダ統計局が6日に発表した11月の労働統計で、同月の失業者数が1カ月としてはリーマンショック以来の大幅増となったことが分かった。

 同月の失業者数は7万1200人。これにより失業率は前月の5・5パーセントから、5・9パーセントに悪化した。これは昨年8月に記録した6パーセント以来の水準となった。

 エコノミストは雇用増を予測していたが、大幅な失業者数増加の原因は製造業での雇用削減が影響しているとみられる。また10月の総選挙が終わったため行政関係でも失業者数が増加した。

 業種別では製造業が2万7500人減、軽工業で2万6600人減、天然資源産業で6500人減となった。またサービス業では4万4400人減と多く、行政職は2万4900人減となった。

 フルタイムは3万8400人減、パートタイムは3万2800人減。

 地域別では、ケベック州で4万5100人減、アルバータ州、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で1万8200人減となった。そのため失業率もケベック州は前月5・0パーセントから5・5パーセントに、アルバータ州も0・5パーセント悪化し7・2パーセント、最も失業率低いBC州でも4・7パーセントから5・0パーセントに悪化した。

 主要都市では、最も低いBC州ビクトリアが0・3パーセント悪化し3・5パーセントに、同州バンクーバーでは0・1パーセント改善して4・9パーセントと全国平均よりも低い失業率を維持した。オンタリオ州トロントは前月と変わらず5・7パーセント、ケベック州モントリオールは0・3パーセント悪化し5・8パーセント、アルバータ州エドモントンは0・6パーセント悪化で7・7パーセントとなったが同州カルガリーは0・3パーセント改善して6・9パーセントと7パーセントを下回った。

 今回の労働統計からカナダ銀行は今月初めに金利を1・75パーセントのまま据え置くと発表したが、来年早々にも引き下げるのではないかとの見方が強まっている。

 この日カナダ銀行のスティーブン・ポロズ総裁は声明を発表し、来年6月2日に切れる任期を全うして総裁を退任することを明らかにした。

 

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