2019年11月21日 第47号
アルバータ州で盛り上がっているウエクジット運動。ついに政党として連邦選挙管理委員会に登録申請をしたことが17日に分かった。
代表を務めるのはピーター・ダウニング氏。連邦選挙だけではなく、地方選挙にも立候補者を立てることを計画していると語っている。
ウエクジットとは、イギリスで起こったブレクジットをヒントにした造語で、カナダの西部(ウエスト)州がカナダから独立(エクジット)することを意味する。
10月21日の選挙で自由党はアルバータ州とサスカチワン州で議席を完全に失った。以前からアルバータ州では独立運動があったが、選挙で自由党を完全に追い出したことで勢いがついた。
アルバータ州では、パイプライン建設による石油輸出が遅々として進まず経済が低迷していることに加えて、カナダ経済がアルバータ州の天然資源産業で支えられているにもかかわらず恩恵はケベック州やオンタリオ州などの東部州に集中していて、自分たちは損ばかりしているとの不満が噴出している。
そこでカナダ連邦から独立しようと運動を始めたのがウエクジットで、政党をつくり自分たちの主張を国会で展開しようというもの。
ケベック州で以前から続く独立運動のアルバータ州版だが、ウエクジット・カナダは連邦選挙だけではなく、サスカチワン州、マニトバ州、そしてブリティッシュ・コロンビア州でも州選挙に候補者を立てて戦う計画を進めていると語っている。
同州ジェイソン・ケニー州首相は、連邦政府との対決を演出してこうしたアルバータ州民の不満を煽ってきた。基本的にはウエクジット・カナダと同様にアルバータ・ファーストを強調しているが、カナダからの独立には反対の立場を示している。