2019年11月14日 第46号
サスカチワン州スコット・モー州首相が首都オタワでジャスティン・トルドー首相と12日会談した。
サスカチワン州は10月の連邦選挙でトルドー自由党が1議席も取れなかった2州のうちのひとつ。もう一つのアルバータ州では、西カナダ独立を希望するウエクジット運動が市民の間で起こっている。西カナダの中にはサスカチワン州も含まれている。
サスカチワン州はアルバータ州同様、天然資源産業が盛んで、今年連邦政府が強制的に導入した炭素税に猛反発。今回の会談でも、炭素税への対応とパイプライン建設などの天然資源産業活性化、公平な州への支援金分配などを訴えたとみられる。
しかし会談後記者会見したモー州首相は、内容に不満が残ることを隠さなかった。トルドー首相にはサスカチワン州民が支持する政策の選択肢を示したが、首相からそれらについて前向きに捉える発言は得られなかったと明らかにした。
「今日はサスカチワン州の産業と州民を支援するためのこれまでと違った自由党の政策について聞きに来た」と語り、違った政策を「もっと行動で示してもらいたい」と要求した。
ただウエクジット運動については、サスカチワン州はカナダ連邦としてやっていくと語った。
トルドー首相は、各州の州首相との会談を順次予定している。前週にはマニトバ州ブライン・パリスター州首相と会談。パリスター州首相は、連邦政府と他の州の保守派政権との共通点を見出すために努力することを首相に約束した。
アルバータ州、サスカチワン州、マニトバ州、オンタリオ州、ケベック州と、州政府では強硬な保守派政権が揃っている。主要な州で中道左派はブリティッシュ・コロンビア州の新民主党(NDP)政権のみとなっている。