2019年11月14日 第46号
再び電話による詐欺が増加していると警察が警鐘を鳴らしている。11月に入り苦情が相次いでいるという。
カナダ不正防止センター(CAFC)によると、最も多いのはカナダ税務署(CRA)を名乗る詐欺で、ソーシャル・インシュアランス・ナンバー(SIN)の情報が不正に使用され法的措置が始まったと脅すメッセージと報告している。
CAFCによると2019年現時点でCRAを名乗る詐欺電話に関する通報だけでも2639件に上るという。これがこの時期再び急増していると注意を呼び掛けている。
連邦警察(RCMP)によると、こうした電話による詐欺行為は2014年からあるという。被害件数は1年のうち時期によって差があり、少ない時もあるがここ最近急増していると語っている。
電話による詐欺行為は全国的に見られるが、中には警察の電話番号を利用していたものもあったという。ブリティッシュ・コロンビア州ケローナの連邦警察の電話番号がナンバーディスプレーに表示されたが、内容は電話詐欺だったとケローナRCMPが7日に明らかにした。
ケローナRCMPによると、被害者は個人情報が犯罪行為に使用されたと伝えられたという。その後、マネーロンダリングの捜査解決のために個人情報を電話で確認したいと言われ、この被害者は、結局SINと銀行情報を相手に伝えてしまったと説明。幸いにもこの被害者の個人情報が悪用された事件は発生していないと語っている。
最近は詐欺行為も巧みになり、自分は大丈夫と思っても騙される場合があると警鐘を鳴らす。警察はあやしいと思った場合は、3点に注意してほしいと語っている。
一つは、電話番号。ナンバーディスプレー技術で相手の電話番号が表示されるのが当たり前になっているが、この電話番号自体がすでになりすまし行為の場合が多いので、政府関係や警察からの電話番号が表示されても簡単に信用できないということを覚えておく。
2つ目は自動録音メッセージ。電話を取った後に流れてくる自動録音でのメッセージで、すぐにアクションを起こすよう緊急を促すような内容はあやしいと疑うこと。例えば警察が仮に電話することがあるにしても、すぐに個人情報や口座番号などを知らせるようなメッセージを自動録音で伝えることはないとしている。
3つ目は金銭の請求。詐欺行為では必ず金銭を要求するという。多くの場合、ビットコインのような仮想通貨やギフトカードで請求してくる。政府関係からの電話で金銭の請求はないと断言している。
警察は、誰かから電話で金銭の要求があればすぐに電話を切ることと語っている。