2019年10月24日 第43号

 世界で注目を集めるスウェーデン出身16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが18日、アルバータ州エドモントンを訪問した。

 石油・ガス産業が主要産業のアルバータ州は、カナダで最も環境問題に敏感に反応する。特にアルバータ州のオイルサンドは温室効果ガスを大量に排出するとして環境活動家からの攻撃の対象となっているからだ。

 しかも2014年のオイルショック以来、アルバータ州は経済的に厳しく国内でも高い失業率となっている。

 そんなアルバータ州に16歳の環境活動家が訪問し注目を浴びた。この日エドモントンには環境問題に高い関心を示す若者を中心に、約4千人がトゥーンベリさんと一緒にデモ行進をした。

 大勢の若者を前にトゥーンベリさんは「アルバータ州での温かい歓迎に感謝します。エドモントンでみなさんと一緒にいられることを誇りに思います」と語った。

 この日のデモは世界中で若者を中心に金曜日に学校を休んで行われているデモ行進の一部。私たちが学業を犠牲にしてもデモを行っているのは、私たちの未来が危機に瀕していることを訴えるためと語った。

 このデモに反対する石油関係者のデモも行われたが、大きな衝突はなかったと警察は発表している。

 しかし20日には、エドモントンの壁にスプレーで描かれた巨大なトゥーンベリさんの肖像画の上に、彼女を非難する落書きがされているのが見つかった。「うそをつくな」、「ここはオイルカントリーだ」と顔の上にスプレーで書かれていた。書いた本人はCBCのインタビューに答え、「環境活動家がアルバータに来て自分たちの生活をとやかくいうことは絶対に許されない。自分の国に帰って自分の国を良くすればいい」と語っている。

 落書きは他にもトゥーンベリさんを誹謗中傷する単語がフランス語でも書かれていた。

 連合保守党のアルバータ州政府はトゥーンベリさんの健闘を称えたが、面会する予定はないと声明を発表した。

 

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