2019年10月24日 第43号
カナダが嗜好用大麻の使用を合法化して10月17日で1年を迎えた。闇市場に流れるマリファナマネーを食い止めることが合法化の理由の一つとされていたが、1年経った現在でも闇市場といわれるライセンスのない販売店が依然多く利用されていることが明らかになった。
カナダ統計局が発表した報告によると、市場調査に協力した回答者のうち29パーセントが合法的な店舗で購入していると答え、10人のうち4人は購入した大麻の一部は違法店で購入したことがあると答えたとしている。調査は今年4月から6月までの3カ月間実施されている。
大麻愛好家が違法店で購入する背景には、価格と合法店舗数の少なさがあるという。
大麻の使用は昨年10月17日に合法化されたため、自由に使用してもいいという環境は揃ったが、政府によるライセンス配布の遅れにより店舗の出店が遅れ、そのため違法店で購入して使用している人が多いという。
また市場価格も違法店の方が安い。カナダ統計局によると、合法店舗では1グラム当たり平均10・23ドルだが、違法店では約半額の5・59ドルという。
闇市場を正確には調査できないため、統計局の調査結果は使用者への質問による自己申告となっている。
専門家は合法な市場が確立されるまではまだ時間がかかるとして、それまではおそらく違法販売店での購入者は減らないだろうと語っている。