2019年9月19日 第38号

 地球温暖化による気候変動への対策として注目されている排出量ゼロの電気自動車。しかし、カナダ国内では電気自動車の普及に大きな開きがあることが分かった。

 エレクトリック・モビリティ・カナダによると、全国で電気自動車所有者が最も多いのはケベック州でカナダ全体の42・08パーセントを占めている。次いでオンタリオ州34・88パーセント、ブリティッシュ・コロンビア州19・67パーセントと、3州で全国96パーセントを占めている。

 アルバータ州では15日に、全国電気自動車ウィークのイベントとしてカルガリー市で電気自動車展示会が行われた。経済ではカナダをけん引するアルバータ州だが、電気自動車普及は全国で2・24パーセントと他の州から大きく後れを取っている。

 その理由の一つには電気自動車に関する誤解があるという。「電気自動車は長距離の運転に向かない」や「馬力がない」などの誤った認識があるとアルバータ州で電気自動車を推進するアルバータ州電気自動車協会の代表は説明している。 カウボーイの街として知られるカルガリーが経済の中心であるアルバータ州では、ピックアップトラックやSUVが人気で、これらの電気自動車が少ないことも理由の一つと語る。

 また、石油・ガス産業が盛んなため、電気自動車が普及すればガソリン使用などが減り、アルバータ州の主要産業に打撃を与えると考える州民も多いという。

 ジェイソン・ケニー州首相が就任して以降、炭素税の廃止を発表。環境対策が必要としながらも、石油・ガス産業が主要産業ということもあり、アルバータ州では環境対策がなかなか進まない。そうした背景があるため、電気自動車普及が停滞しているとみられている。

 

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