2019年9月12日 第37号
土砂崩れでサーモンの遡上がせき止められていたフレーザー川で6日、サーモンが自力で遡上していることが確認されたとブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府が発表した。約1万8千匹のサーモンが自力でフレーザー川の土砂崩れ箇所を遡上したという。
土砂崩れが確認されて以降、サーモンの遡上が妨げられていることが分かり、ヘリコプターやトラックを使って土砂崩れの下流側から上流側へ人力で運ぶ作業が続けられていた。運ばれたサーモンは、サッカイ、チヌック、ピンク、コーホーなどで約5万2千匹を運んだという。
BC州政府によると、人力でのサーモンの移動を継続しつつ、サーモンが自力で遡上できる道筋を作っていく予定としている。
BC州ではこれからがサーモン遡上のシーズン。今後もフレーザー川に海から続々と戻ってくると予想されている。ただ今年は産卵のためにBC州の川に戻ってくるサーモンの数は過去最低になるのではないかと予想されている。
特にサッカイサーモンは、カナダ水産海洋省によると約500万匹戻ってくると試算されているが、これまでのところ55万6千匹しか戻っていないという。
今年のフレーザー川の水位は例年より7パーセントも低く、水温は2度高いと発表されている。BC州でのサッカイの遡上数は年々減少傾向にあると言われ、その要因には気候変動や乱獲、生息域の破壊などがあげられている。
BC州に戻ってくるサーモンの数が減る一方で、アラスカ州では3年連続の増加となっていることも分かっている。
サーモンの遡上はBC州の秋の風物詩。これからもサーモンがBC州に戻ってくるには行政や漁師などとの協力が必要と専門家は語っている。