2019年9月12日 第37号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州レベルストーク近くにあるグリフィン湖に沈んでいる乗用車を発見したのは13歳のマックス・ウェレンカさんだった。アルバータ州在住のマックスさんは今年8月、家族と一緒にBC州グリフィン湖近くのキャビンに滞在していた。滞在中、湖でボートを漕いでいる時に沈んでいる乗用車を見つけたという。

 見つけた当初は、この辺りでは2009年に自動車の衝突事故があり、それと関係しているのではと家族はあまり気にしなかったと話している。

 しかし乗用車を見つけた翌日に、たまたまキャビンを訪問してきた連邦警察(RCMP)の警察官に、見つけた乗用車のことを話したとマックスさんの母親ナンシー・ウェレンカさんは振り返っている。その時に、どうして2009年当時の事故車を引き上げていないのかと質問すると、警察官に事故車は引き上げたと言われたとナンシーさんは、テレビ局のインタビューに答えている。

 8月21日には警察がグリフィン湖で乗用車を湖面から確認しようとしたが、ナンシーさんによると、湖面が太陽で反射していたせいもあって警察は確認できなかったという。

 そこでマックスさんが自分のGoProカメラを持って湖に潜り、沈んでいる乗用車の様子を動画撮影して、その3日後には警察が湖から乗用車を引き上げた。

 引き上げられた乗用車は1992年にBC州からアルバータ州に向かって運転している途中に行方不明になったBC州バンクーバー島のミルベイ在住だった当時69歳のジャネット・ファリスさんのものと分かり、遺体も乗用車から発見された。

 このニュースにナンシーさんは、引き上げられた乗用車から遺体が見つかったと聞いて驚いたとメディアの取材に語っている。27年間も行方知れずになっていた家族の消息がこういう形で分かって残された家族はどんな気持ちだろうかと気づかった。

 ファリスさんの家族は、これまでどうして行方知れずになっていたか分からないということがすごく不安だったが、これで少なくとも納得できると感謝した。

 RCMPは今回13歳の少年が27年もの歳月を経て未解決事件を解決するきっかけを作ったことについて、警察官として将来有望と称賛した。

 マックスさんは、疑問に思ったことを解決するために行動しただけと語り、それが誰かのためになるならやってみる価値はあると思ったと誰よりも大人な回答をした。

 

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