2019年9月12日 第37号

 ニューブランズウィック(NB)州で起きた新民主党(NDP)の元州議会選挙候補者14人がグリーン党に党替えした一件で、NDPジャグミード・シング党首は5日ケベック州モントリオールで会見し、14人全員が党替えしたというグリーン党の発表には虚偽があると批判した。

 少なくとも14人中5人は、グリーン党が許可なく党替え者名簿に自分たちの名前を入れられたと主張しているという。

 このシング党首の記者会見の2時間後には、5人の署名入り声明がNDPから発表され、自分たちはNDP党員として誇りを持っていると語っている。自分たちの名前が許可なく党替え宣言書に含まれたことは遺憾だとしている。

 これに対してグリーン党広報はNDP元候補者のグリーン党への党替え宣言については、NB州元NDP幹事ジョナサン・リチャードソン氏から受け取ったと説明。グリーン党への移党を否定した5人のうち2人と話したが、NDPから党替えしないよう圧力をかけられたと話していると語っている。

 発端は今月3日、NB州NDPとして州議会議員選挙に立候補した14人の元NDP候補者が、グリーン党に党替えする宣言をし、州選挙でも、連邦選挙でも、グリーン党を支持するよう記者会見で訴えたことだった。

 10月の連邦総選挙ではNDPとグリーン党は議席を争うとみられている。現在支持率を上げているグリーン党の勢いは東海岸州で強く、NDPは厳しい状況に立たされている。選挙が間近に迫った現時点でも、NDPはNB州で一人の候補者も擁立できていない。グリーン党は同州選挙区数の約半分ですでに立候補者を擁立している。

 NB州でのNDP・グリーンの争いは、全国的な争いの縮図で、グリーン党の議席増加はどれだけNDPから議席を奪うことができるかにかかっているといっても過言ではない。

 今回の総選挙ではグリーン党が台風の目になることは間違いなく、NDPはシング党首が就任して以降ベテランNDP議員が続々と引退宣言し、現在でも候補者探し、献金集めなどで苦戦を強いられている。

 NB州元NDP幹事リチャードソン氏は今回のことで、元候補がNDPからグリーンに党替えした理由について、NB州ではターバンを巻いた党首の党では票が集まらないのではないかと発言して批判を浴びた。その後、リチャードソン氏の所有車が傷つけられ、「人種差別者」呼ばわりされたと本人が明らかにしている。

 NDPシング党首がシーク教のインド系カナダ人のため、選挙に勝てないとの声はこれまでにも党内で上がったことがあり、NDPにとってこれから投票日まで厳しい戦いが迫られることになる。

 NDPは7日にオンタリオ州オタワで総選挙用事務所を開設、翌日には選挙活動用のツアーバスを公開し、本格的な選挙戦モードに突入した。

 

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