2019年9月12日 第37号
カナダ統計局は6日、8月の就業者数が8万1100人と大幅な増加だったと発表した。失業率は求人者数も増加したことから前月と変わらず5・7パーセントのままだった。
好調だったのはサービス業で、金融、保険、不動産、小売り、教育分野で増加。また専門職、科学技術分野でも増加した。
民間企業で9万4300人増、自営業は1万1200人減となった。フルタイムが2万3800人増だったのに対し、パートタイムが5万7200人増となった。
地域別ではオンタリオ州、ケベック州が好調で、マニトバ州、サスカチワン州、ニューブランズウィック州でも微増した。
全国で最も失業率が低かったのは前月の4・9パーセントから改善したケベック州で4・7パーセント、次いで前月まで4・4パーセントと最も低かったブリティッシュ・コロンビア(BC)州がやや悪化して5・0パーセントだった。オンタリオ州は5・6パーセント。
主要都市ではBC州バンクーバーが相変わらず最も低く4・4パーセント、ケベック州モントリオールが5・6パーセント、オンタリオ州トロント5・9パーセント、アルバータ州カルガリーは7・3パーセントと0・4パーセント悪化した。
今回の労働統計は来月実施される総選挙前最後の報告となる。経済対策を最優先に掲げる自由党政権にとっては朗報で、ビル・モルノー財相は「素晴らしいニュース」とツイート。自由党政権の経済対策が機能していることを強調した。
4日にはカナダ中央銀行が金利の据え置きを発表。昨年10月以来金利の変更はなく、1・75パーセントを維持した。金融報告書では2019年前半は経済が好調だが、後半はやや減速すると予測、アメリカと中国の間で起こっている貿易摩擦が予想以上にカナダに大きな影響を与えていると報告している。