2019年8月1日 第31号

 カナダ選挙管理委員会ステファン・ペラウト委員長は7月29日、10月21日に設定されている投票日を変更しない意向を示した。

 連邦裁判所はこの日がユダヤ教の祝日仮庵の祭りに当たるため、信者は投票や選挙活動を控えなければならず、権利と自由の憲章に違反する可能性があるとして、ペラウト委員長に投票日の変更を検討するよう言い渡した。

 今回の件は、ユダヤ教信者で保守党から立候補するチャニ・アーレイベイン氏とユダヤ教正統派の政治団体が訴えていた。

 しかしペラウト委員長は、投票期日が近づいたこの時期に投票日を変更するのは非現実的として、ユダヤ教信者には期日前投票などの方法を利用できると説明している。

 選管理委員長に投票日を決定する権限はなく、投票日が設定されて以降の投票日変更の決定権もない。ただ委員長は投票日について政府に進言することができる。最終的な決定権は政府と内閣が有している。

 29日にブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーを訪問していたジャスティン・トルドー首相はこの件に関し記者団に対して、委員長の判断を尊重すると語った。

 総選挙投票日まで3カ月を切り、各政党による駆け引きが続いている。現在のところ、与党自由党は支持率で野党第一党保守党とほぼ互角、激しい選挙戦が繰り広げられることが予想されている。

 

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