2019年6月27日 第26号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー国際空港を飛び立った旅客機が、2つあるエンジンのうち1つが停止したため、バンクーバー国際空港に引き返し緊急着陸した。
この飛行機は米アラスカ州アンカレジ行きのエアカナダ538便で、使用機材はエアバスA320型機だった。112人の乗客を乗せた同便は23日午後1時過ぎに定刻通り離陸した。そして巡航高度に達し機内サービスが始まった頃、客室乗務員が異臭に気がついたと、モントリオールからの乗客ケイティ・ヤコビッチさんは取材に当時の様子を語っている。その後間もなく、座席のエンターテイメントシステムの画面が真っ黒になったという。
機内サービスは中止され、特に何のアナウンスもなかったものの、飛行機がUターンをして南に向かい始めたのは明らかだったと、ヤコビッチさん。やがて機長からのアナウンスがあり、この便は計器が異常を示したため、約10分でバンクーバー国際空港に緊急着陸すると伝えられた。そして機長が、実は飛行中にエンジンが停止したため、バンクーバー国際空港に引き返さざるを得なかったことを初めて乗客に明らかにしたのは、無事着陸して到着ゲートに移動し始めてからのことだった。旅客機は複数あるエンジンの1つが停止しても飛行を継続できる性能を持っており、パイロットもこうした事態に対応する訓練を受けていると、エアカナダは取材に説明している。
飛行中はかなりの振動があったものの、客室乗務員らは常に落ち着いており、乗客が不安を感じることはなかったとヤコビッチさんは話している。
バンクーバー国際空港に着陸したのは午後3時を少し回ったところだった。乗客はロビー到着後、エアカナダから食事券を受け取るなどして、代替機の準備が整い再び搭乗が開始されるまでの2時間余りを空港で過ごした。「飛行中に緊急事態が発生したにしても、乗組員の対応は素晴らしいものだった」と、ヤコビッチさんは感想を述べている。