2019年6月27日 第26号
オンタリオ州ダグ・フォード州首相は、大幅に改造した新内閣を20日、発表した。昨年6月7日の州議会選挙で圧勝した進歩保守党は、6月29日に政権が発足。それから約1年で大幅内閣改造となった。
政権発足後、フォード州首相を支えていた財務大臣ヴィック・フェデリ議員は経済開発大臣へ、何かと物議を醸してきた教育大臣リサ・トンプソン議員は政府・消費者サービス大臣へ降格、キャロライン・マルルーニ司法長官は運輸大臣に異動となった。大きな降格があった中で、これまで全く役職に就いていなかった新人議員を大抜擢した。一方で、改造を発表した当日に、自身の友人や親せきを高額役職に就かせるなどしていたことが全国紙で掲載され、批判を浴びた。
政権発足から1年、次々と独自政策を実施してきたが、州民の反感を買う政策も多かったことから、この1年で支持率は急降下。23日にメインストリート調査会社が発表した世論調査では、現在の支持率は19・9パーセント。政権発足時の73・4パーセントから53・5パーセントも下落。19・9パーセントは選挙当時、自由党政権で最低の支持率といわれたキャサリーン・ウィン党首の支持率よりも低い数字となっている。
支持率の低さは、NBA(北米プロバスケットボールリーグ)で優勝したトロント・ラプターズの優勝パレードに参加した時のフォード州首相に向けられたブーイングにも表れていた。
今回の内閣改造で支持率が急上昇することはない。3年後の選挙までフォード州首相にとっては厳しい政権運営が迫られる。
連邦保守党は、今秋に控えている連邦総選挙に向け、フォード州首相との距離を置き始めている。