2019年6月13日 第24号

 オンタリオ州トロントを拠点とする北米プロバスケットボール(NBA)トロント・ラプターズが、NBA決勝に進出しカナダ全国で大いに盛り上がっている。

 ラプターズが3勝1敗で迎えた10日、トロントでの決勝第5戦は高い視聴率を得た。その第5戦のテレビ放映中に、保守党アンドリュー・シェア党首を批判するコマーシャルが流された。メディアによると、放映料は5万ドルにもなると推測されるという。

 このコマーシャルを一体誰が何を意図して流したのか、波紋を呼んでいる。

 放映したのはエンゲージ・カナダといわれる組織で、2014年12月に設立されたとされている。主に政治的なコマーシャルを扱うことで知られている。2015年の総選挙前には、当時の保守党政権スティーブン・ハーパー首相を批判するCMを流している。

 同社広報によると、「企業利益を支配することへの抵抗」とCMの意図について声明を発表している。

 CM内容は、シェア党首が隠し事をしているとか、オンタリオ州ダグ・フォード州首相の中間層を苦しめるような政策に続く可能性について批判している。

 エンゲージ・カナダは草の根的組織としているが、労働組合や政党関係者とのつながりが深く、自動車産業従業員などで構成されたカナダ最大の労働組合ユニフォなどが支援している。

 今回のCMが誰の依頼によって、誰が支払ったものなのかは、公表されていない。政治的CMについては、今秋の総選挙を前に6月30日以前であれば、依頼主や料金を公表する必要がないとトルドー政権が規則を定めている。

 エンゲージ・カナダは6月末までCMを続けると発表している。

 

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