2019年6月6日 第23号

 アルバータ州カルガリーにある公園の再開発現場から、3千年ほど前の先住民の遺物が大量に発掘された。

 場所は、同市東部の歴史的地区にあるジャック・ロング公園。火によってひびが入った石や骨のほか、先住民テント(ティピ)を建てたときに並べられたと思われる環状列石が発見された。そのほかにも、ここで暮らしていた初期の移民のものとみられる陶器の破片やすず製コップ、手製の釘なども発見されている。

 この公園で上下水道管埋設工事のため掘削を行っていたところ、金属のすずの塊、ガラスの破片などが次々と見つかったため学術調査を行うことになったと、同市の造園技師ダニエル・イングランドさんは取材に語っている。いくつもの試験発掘とともに、地中レーダーによる解析も行われた。

 ヨーロッパからの移民が到着する何千年前に、この地に定住していた先住民をより詳しく知る上で、こうした遺物の発見には心踊らされると話すのは、調査リーダーのケンドラ・コロミヤさん。集められた遺物は調査終了後、王立アルバータ博物館に展示される予定だ。

 発掘現場のジョン・ロング公園は、再開発によって芝生のオープンスペースやピクニックエリア、遊園地、レインガーデン、またイベント用の舗装エリアなどを備えた、コミュニティ・スペースとなる。また工事完了は、この秋を目指している。

 

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