2019年5月23日 第21号
アメリカの食品メーカー大手クラフト・ハインツ社が昨年アメリカで発売した新商品の名前が、カナダ先住民の言語では食品にはふさわしくない意味になるとして、話題になっている。
この商品は、マヨネーズとケチャップをブレンドした『マヨチャップ』。この名前はもともと、ハインツがツイッター上で商品名候補の人気投票を行った結果から採用されたものだった。
この『マヨチャップ』、カナダでは今月から販売が開始されたが、先住民クリー族のある地域で用いられる方言では、その音が『顔にクソ(shit face)』に聞こえると、クリー・リテラシー・ネットワークのディレクターアーデン・オッグさんは指摘する。また、この英語は泥酔状態を表すスラングshitfacedも連想させると付け加えている。
この件がソーシャルメディアに最初に紹介されたのは16日のことで、オンタリオ州北部にあるクリー族カシェチワン先住民居留地のジョナサン・ソロモンさんの指摘を、公営カナダ放送協会(CBC)ラジオのパーソナリティがソーシャルネットワークで取り上げた。
ハインツ社はメディアへの電子メールで、この件がインターネット上で話題になっていることは承知していると答えている。その上で、この名前がクリー語では不幸な意味になっていることに同情を示しつつも、同社としては消費者に対し、この夏、マヨチャップを顔につけるという新しい使用方法を試してほしいと締めくくっている。同商品のカナダ国内での販売は、今のところ現在の仕入れが完売するまで行われる予定。
クリー語はカナダの中では最も広く話されている先住民言語で、前回の国勢調査によると9万6575人がその話者で、大部分がプレーリー地域に住んでいる。