2019年5月16日 第20号
カナダ保健省は、ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド市の小売店が国内未承認の洗眼・点眼薬を販売していたとして、消費者に警告する措置を取った。洗眼、点眼薬どちらも深刻な健康被害を引き起こす可能性があるとしている。
販売されていたのは、小林製薬の洗眼薬アイボン・マイルドのほか、参天製薬の点眼薬サンテPCとサンテFXネオ。
パソコンや携帯電話の画面から発せられるブルーライトによる目の疲れを改善することをうたっているサンテPCには、カナダ保健省が市販点眼薬の成分としては許可していないネオスチグミンメチル硫酸塩が含まれている。ネオスチグミンメチル硫酸塩と同様の薬は緑内障の治療に用いられていたこともあったが、遠くのものがかすんで見えたり、前頭部の頭痛のほか瞼のけいれん、目の充血、アレルギー反応、虹彩のう胞、網膜剥離、さらに白内障や特定のタイプの緑内障を引き起こすなどの副作用の可能性から、使用が中止された経緯がある。
また清涼感をコンセプトにしている点眼薬サンテFXネオと洗眼薬アイボンには、処方薬のイプシロンーアミノカプロン酸が含まれている。カナダ保健省によると、イプシロンーアミノカプロン酸は治療時に止血薬として使用される。イプシロンーアミノカプロン酸が眼球に触れた場合、眼球そのものに影響を及ぼしたり、涙腺から吸収され血液に取り込まれる可能性があるという。その副作用としては、涙目や視力の変化のほか頭痛、めまい、吐き気、筋力の衰えや発疹がある。
これらの未承認薬を輸入販売していたのは、BC州リッチモンド市リバーロック・カジノの近く、ナンバー3ロード沿いにある化粧品小売店EJビューティと、バーナビー市のピンキー・フロイ。
カナダ保健省は、これらの洗眼・点眼薬の使用を直ちに中止するよう呼び掛けている。