2019年5月16日 第20号

 カナダ第2の航空会社ウエストジェット社は13日、負債も含めた約50億ドルでオネックス社への売却に合意したと発表した。

 本社はこれまで通りアルバータ州カルガリーに置かれるという。ウエストジェット社創業者クリーブ・ビドー氏は「本社がカルガリーに残ることを非常にうれしく思っている。1万4千人の従業員も引き続きウエストジェット社で事業を継続できる」と声明で発表した。

 報道によると、オンタリオ州トロントに本社を置く未公開株式投資会社オネックスがウエストジェット社買収を打診したのは今年3月という。

 ウエストジェット社は2018年頃から業績が悪化。低価格航空会社を設立し価格競争へ対応するなど努力を続けているものの、業績悪化に歯止めがかかっていない。同社によれば、燃料費の高騰、労働争議、国内外の激しい航空業界での価格競争などが要因となっているという。

 それでも今回の買収は、これまでにウエストジェットでの売却の動きがなかっただけに、関係者には驚きをもって捉えられていると報道されている。

 アルバータ州ジェイソン・ケニー州首相は13日の記者会見で今回の買収について、会社にとっても、従業員にとっても、良い方向に進む判断だったと確信していると語った。

 ウエストジェットは1996年に低価格航空会社としてカルガリーに誕生。カナダ西部を中心に中距離航空会社として出発した。その後、カナダ国内はもとよりリゾート地を中心に北中米都市へ就航し中長距離路線を拡大。最近ではヨーロッパにも就航していた。

 

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