2019年5月23日 第21号

 中米ホンジュラス共和国のリゾート地で18日、カナダ人パイロットが操縦する6人乗り小型飛行機が離陸直後に墜落した。パイロットのほか4人のアメリカ人乗客も全員死亡した。

 飛行機を操縦していたのは、ブリティッシュ・コロンビア州ローワーメインランド出身のパトリック・フォーセスさん(32歳)。ビーチリゾートとして観光客に人気のバイーア諸島のひとつ、ロアタン島の海岸沿いの空港から離陸、本土側にあるトルヒーヨ空港へ向かう予定だった。しかし離陸直後に飛行機は沖合の海に墜落した。事故発生と同時に軍や警察、消防が出動、数分のうちにダイバーが現場から4人の遺体を回収した。また病院に搬送された1人も、その後病院で死亡が確認された。

 フォーセスさんは2010年から同国で暮らしており、トルヒーヨにあるレストラン、カリビーダ・クラブ・カフェのオーナーでもあった。さらに彼の両親も、現地のリゾート、トランキリティ・ベイ・ビーチ・リトリートのオーナー経営者で、家族で小型飛行機を所有していた。フォーセスさんは、かつてエアカナダのパイロットだった父親とともに、この飛行機で医療物資や学校用品などを、ホンジュラス国内の陸路では到達できない地域へ届け続けていた。

 現地で彼と親しくしていた友人によると、フォーセスさんは地元のために飛ぶことに情熱を注いでおり、また経験豊かなパイロットだったと取材に答えている。急患を無料で空輸することも度々あり、彼のおかげで命拾いした人は数えきれないほどだとも語り、地元コミュニティからとても愛されていたという。

 彼の悲報に接したトルヒーヨは、町全体が悲しみに包まれていると、フォーセスさんの妹はメディアの電話取材に答えていた。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。