2019年5月16日 第20号
ジャスティン・トルドー首相は10日アルバータ州エドモントンでの記者会見で、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府が8日に発表したマネーロンダリング(不正資金洗浄)に関する報告書について言及し、「BC州から報告された内容について非常に憂慮する事態であり、到底受け入れがたい」と懸念を示した。
BC州政府は昨年、リッチモンド市にあるカジノを通してマネーロンダリングが横行している事実を報告。それらがBC州の不動産に流れ、同州で不動産が高騰する要因となっているとの見解を示していた。今回の報告書はその第2弾で、マネーロンダリングの資金と不動産に関する内容となっている。
報告書によれば2018年の不動産を利用した資金洗浄は50億ドルに上ったという。不正金による昨年の不動産価格の上昇率は5パーセントと試算している。BC州キャロル・ジェイムズ財務相は8日、「住宅は州民にとっての家となるべきもので、犯罪を助長する手段であってはならない」と報告書の記者会見で語っている。
トルドー首相はこうしたBC州政府の報告書について「マネーロンダリングは国民にとって実生活に及ぶ問題となっている」と語り、不動産市場をかき回すことで国民の生活を脅かすことが報告書で分かったと語った。トルドー首相は連邦政府として州首相と連携して、この問題に取り組むことを約束。すでにBC州政府とはビル・ブレアー国境警備・組織犯罪削減大臣が連携していると語った。
今回の報告書では、BC州だけではなく、アルバータ州、オンタリオ州、マニトバ州、サスカチワン州でも、マネーロンダリングによる影響が少なくないことを報告している。