2019年5月2日 第18号
トヨタ自動車は4月29日、オンタリオ州ケンブリッジ工場で高級車ブランド、レクサスの小型SUVレクサスNXを生産すると発表した。2022年からガソリンモデルとハイブリッドモデルを生産する。レクサスNXが日本以外で生産されるのはカナダが初めて。すでに生産されているレクサスRXやRAV4も生産開始され、カナダが北米で人気の小型SUVの生産拠点となる。
ジャスティン・トルドー首相はこの日の記者会見で、トヨタの生産拡大はカナダの自動車産業への信頼の表れとカナダがこれまで誘致のために投資してきた結果だと語り、「カナダから北米全土への生産が行われる」と語った。さらにカナダが推進する自由貿易がカナダ経済に好影響を与える証明でもあると強調し、カナダは、北米、アジア、ヨーロッパとの自由貿易協定を実現し、「G7では唯一すべてのG7国と自由貿易を締結している国だ」と語った。
カナダ国内では自動車産業の縮小が相次いでいる。アメリカ自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)が今年末でオンタリオ州オシャワ工場での生産停止を発表、欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は今年3月、同州ウィンザー工場での生産を縮小すると発表した。合わせて4500人の雇用削減となる。
トヨタ自動車カナダ社長フラヴィオ・ヴォルペ社長は、「トヨタのカナダ工場は、ここにとどまる」とカナダを強調した。