2019年4月18日 第16号
約10年間販売され続けてきた乳児用ベビーベッドが、30件以上の死亡事故の末リコールされた。
この製品は、大手玩具メーカー、フィッシャープライスの『ロックンプレイスリーパー』で、2009年に発売されて以来、470万台ほどが販売されてきた。簡単なスタンドの上に揺れる布製の寝台が付き、乳児を寝かしつけるために用いられる。米国消費者製品安全委員会(U.S. Consumer Products Safety Commission ー CPSC)は12日、この製品の使用を直ちに中止し、販売元のフィッシャープライスに連絡を取り返金かクーポン券を求めるよう、消費者に呼び掛けている。
フィッシャープライスとCPSCは、乳児が死亡した具体的な状況については明らかにしていないものの、ベルトで保持していなかった乳児が、寝返りを打ってうつ伏せや横向きになったために死亡したと話している。また米国の消費者団体が発行しているコンシューマー・リポート誌は、死亡事故のいくつかは窒息が原因だったことを突き止めている。
なお、この製品のカナダ国内での区分は『sleeper(就寝用ベッド)』ではなく、保護者が付き添わないまま乳児が寝ることを禁じた『soother(乳児をあやすためのベッド)』となっていると、フィッシャー・プライスは説明している。
またカナダ保健省は2011年、同省と公衆保健局、カナダ小児科学会が出していた、安全な就寝についての勧告を引き合いに出しながら、フィッシャープライスの親会社であるマテル社に対し、この製品に関する懸念を文書で通達していた。
12日にリコールを発表したフィッシャープライスはそのコメントの中で、同社は製品の安全性を守っており、今回のリコールは使用上の注意や安全性に関する警告を守らなかったことによる事故が報告されたために行ったものだと、説明している。